ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

友愛を捨てて、日本に返れ76

2010-04-18 06:32:57 | 時事
 本連載の最終回。

<課題11 自然との調和~自然エネルギーの本格的利用を>

 文明は自然に働きかけ、環境に変化をもたらす。文明は古代からそういう側面をもっていた。しかし、多くの場合、自然の回復力は人間による変化をはるかに上回っていた。だから、人類は人口を増やし、文化を発達させることができた。しかし、西洋近代文明はユダヤ=キリスト教、資本主義、近代国家、産業革命が合体したことにより、自然を征服・支配する文明を生み出した。これを自然と調和する文明に転換することが必要である。
 石油・石炭のような化石燃料をエネルギー源とすれば、温暖化や大気汚染等を引き起こす。これに替わるクリーンな自然エネルギーの活用を推進しなければならない。太陽エネルギー、風力、潮力、地熱、バイオマス等。取りわけ太陽光発電と電気自動車の組み合わせは、21世紀の産業革命ともいえる産業と文明の変化をもたらすと期待されている。
 西洋近代文明の根本は、神なき自然、魂なき自然、物質としての自然という自然観に基づく。これに対し、自然を単に物質・エネルギー循環のシステムと観るのではなく、人間の生命や心霊と通底したものと感じる心を取り戻すことが必要である。環境保全のためのエコロジーも、生命的心霊的な自然観に裏付けられる時、自然と調和した文明を生み出すものとなるだろう。先進国の中で唯一、わが国は今日でも、神道の自然観を保っている。森を守り、海を守る日本人の心を今日の地球に生かすことにより、人類文明の転換に貢献し得るのである。

関連掲示
・マイサイト「自然」の拙稿
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/j-mind07.htm

<課題12 精神的な向上~日本精神の復興を>

 以上の課題を実行する上で、最も大切なのは、日本の伝統・文化・国柄を知り、日本精神を取り戻すことである。日本人が世代を超えて伝えてきた、人と人、人と自然が調和して生きる生き方を回復することが求められている。日本精神に基づいて、家庭・社会・国家を建て直すこと。さらに、日本精神の奥底に存在する自然の理法を自覚・体得することが、21世紀の日本人の課題である。
 西洋近代文明は、西洋近代思想に基づく。西洋近代思想の行き着くところは、個人主義と唯物主義である。心の現象は、脳の物質現象と見る。また人間の存在をパーソナルでローカルなもの、個別的で局所的なものと観る。個人中心で、現実世界限定の人間観は、道徳の低下や精神の荒廃を生み出す。生の目的は、金銭の獲得と欲望の追求になる。既成宗教は陳腐化し、脱宗教化した人々を善導することができない。こうした今日、新しい精神文化の興隆が待望されている。
 私は、21世紀の人類を導く精神文化は、日本から出現すると確信している。日本人には、自らの伝統的な精神を取り戻し、その精神に内在する原理を発動して、世界人類を精神的な向上に導く使命があると思う。日本精神の真髄を学び、実践する人が一人でも多く増えることを期待したい。

関連掲示
・拙稿「心の近代化と新しい精神文化の興隆」
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion09b.htm

●友愛を捨てて、日本に返れ

 本稿の結びに、日本人が日本再建のために取り組むべき課題を12点提示した。<課題1 大東亜戦争の総括><課題2 占領政策の克服><課題3 自主憲法の制定><課題4 皇室の復興><課題5 国民の復活><課題6 自主国防の整備><課題7 誇りある歴史の教育><課題8 日本的道徳の回復><課題9 家族の復権><課題10 生命力の発揮><課題11 自然との調和><課題12 精神的な向上>である。
 これらの課題に取り組み、日本独自の精神に基づいて、日本の再建と世界的な文明の転換を図ることを提案する。
 最後に繰り返しになるが、鳩山氏の「友愛」に欠けているのは、日本である。日本の伝統・文化・国柄が欠落している。「友愛」はヨーロッパ産の思想であって、それを日本に移植しようとする鳩山氏には、日本人の精神が大きく失われている。私は、日本の伝統・文化・国柄に立ち戻り、そこから自生の理念を立て、日本の再建と発展のための政策を立案・実行することを、日本人同胞に呼びかける。「友愛」にとらわれていると、日本は危ない。「友愛を捨てて、日本に返れ」と私は訴える。(了)

※以上で本連載を終了。後日、編集して、マイサイトに掲示する予定。

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