ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

安全保障関連法制の整備を急げ6

2015-06-19 08:50:39 | 時事
●憲法の早期改正をめざそう

 安保法制の整備は、有事、平時、その中間的事態のすべてを通じて、日本の平和と安全を守るために必要な法整備を目指すものである。現在の法制の欠陥を正し、切れ目をなくし、起こり得る事態に対処するための選択肢を広げるものである。そのうえで、実際にどう対処するかは、政治の判断である。
 日本の主権と独立、国民の生命と財産を守るため、国益を第一とした判断がされねばならない。また、集団的自衛権の行使も、自衛隊の海外活動も、国会の承認を必要とする。国会の承認ということは、最終的には国民の意思によるということである。
 ますます厳しくなっている国際環境において、日本人は、安全保障の問題を避けて通れない。ただ平和を祈っていれば、中国も北朝鮮も攻めて来ず、イスラム過激派も日本人にテロを起こさないのではない。国民が自ら国を守るという意思、そのために必要な取り組みをするという努力が必要である。その意思を欠き、取り組みもしない国民は、日本の富や技術を狙う勢力によって攻めこまれ、他国に支配・略奪され、滅びの道をたどるだろう。
 日本人は滅びの道へ進みたくなければ、自ら自国を守るという意思を持ち、国を守るための努力をしなければ、ならない。そのために、為すべき課題が憲法の改正である。
 安保法制の整備は、できるだけ急いだ方が良い。今のままでは、中国が尖閣諸島を攻めてきても、日本はまともな防衛ができない。厳しい国際環境において、日本の平和と繁栄を維持していくことができない。当面できることとして安保法制を整備して国防を強化し、戦争抑止力を高め、いざという時には適切な対処ができるようにしたうえで、憲法の改正を行わねばならない。今回の安保法制は、憲法を改正して、ちゃんとした体制を創るまでのつなぎである。できるだけ早く憲法を改正し、国家を再建して、日本の平和と繁栄を守る体制を確立しなければならない。
 現行憲法のもとでは、国防を米国に大きく依存しているので、米国に協力しないと、中国・北朝鮮が侵攻したときに助けない、と言われると協力せざるを得ないことになる可能性がある。米国追従ではなく、主体性が大切。またその主体性を発揮できるように、憲法を改正し、いざとなったら米国に頼らずに国を守ることのできる国になる必要がある。
 政府は、専守防衛という政策を取っている。専守防衛が憲法の規定であるかのような主張があるが、これは誤り。戦後、鳩山政権・岸政権の時代には、そんな考え方はなかった。昭和40年代から使い出され、昭和47年に国防を受動的な防御に徹する専守防衛に限定した。政治的な用語であり、防衛上の概念ではない。防衛用語の「戦略守勢」は、全般的にみれば守勢であるが、戦術的な攻撃を含んでいる。敵から攻撃を受けた場合は、敵基地へも反撃を行う。また、明らかに攻撃を受けることが予測される場合は、先制攻撃を行うことも含む。受動的な防御に徹し攻撃をしないのでは、国を守ることはできない。叩いても叩き返してもないとわかっていれば、相手はやりたい放題に攻めてくる。
 現行憲法は、司法制度にも欠陥がある。軍事に関することも日本では普通の裁判所が判断する。だが軍事のことは専門家でないと判断しにくい。普通の国では軍法会議にかけ、軍事裁判所で裁く。自衛隊は軍隊ではないので、こうした機関がない。憲法を改正し、自衛隊を軍隊とするとともに、軍事に関する裁判を行う軍事裁判所を新設する必要がある。この点は、新憲法ほそかわ私案に書いた。
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion08h.htm
 来年(平成28年)夏の参院選で改憲勢力が多数を占めれば、秋の国会に憲法改正案が提出される。各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国民に発議される。発議後、6か月以内に国民投票が行われる。平成29年の早期までに国民投票を実施することが、改憲派の目標となっている。これがいま最も順調に行った場合の最速のスケジュールである。
 当然、中国は日本が憲法を改正して、体制を整える前に、尖閣・沖縄、場合によっては佐渡を侵攻しようとするだろう。相手の防備が整う前に攻めるのは、戦争の定石である。東シナ海の前に、南シナ海で米中の激突が始まるかもしれない。即座にシーレーンの航行が危険にさらされるかもしれない。厳しい国際環境で、日本の平和と安全を守るには、政治家のレベルアップとともに、国民のレベルアップが必要である。その努力を怠ったならば、混迷と衰亡の方向に進んでしまう。
 日本人は自己本来の日本精神を取り戻し、一致団結して日本の平和と安全を守り抜かねばならない。

 次回に続く。