ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

食育で日本の心を取り戻そう6

2007-02-05 09:54:44 | 教育
【司会】 家庭の大切さというお話を伺いましたけれども、相川先生、この点、食を通じてどういったことが求められているのでしょうか。

【相川】 家庭での食育機能が大変低下しているということが一般的にも言われていますけれども、孤食とか朝食の欠食ばかりではなく、細川さんが言われたようなコミュニケーションの中で育つ人格形成もあります。
 もう一つは、食を大切にする心の希薄化というのでしょうか、「これはもったいない」とか「有り難い」という気持ちが極端に薄れているのではないだろうかと思います。
 家庭で時間とお金と労力を掛けて作られたものと違って、簡便な中食ですとか、デパ地下の利用というのは、お金を出せばそれ相当のものが手に入るという大変便利なものですけれども、作ってくれた人に対する感謝の念が抜けやすいと感じています。
 もう一つは食に対する理解の不足と食生活の乱れです。大きく言えば伝統食が失われていく、食の伝統の継承がないということが一番懸念されることです。
 その半面、健康食品ですとか、簡便なものに依存しやすい気持ちが、強いては国の食資源の問題とか自給率の問題につながっていくのではないだろうかと思うのです。

【司会】 ありがとうございます。
 最近はロハス(註 LOHAS=Lifestyles Of Health And Sustainabilityの略。 地球環境保護と健康な生活を最優先し、人類と地球が共栄共存できる持続可能なライフスタイル)ですとか、健康志向で非常に関心が高いのですが、サプリメントに頼ったりして、その中身が問題だと思います。そのような中で相川先生、どのようなことが求められているのでしょうか。

【相川】 やはり家庭の力は大きいですから、特に母であり主婦である私たち女性がしっかりしていかなければならないのです。家族の一生の健康をさじ加減一つで、長生きさせるのもそうでない場合も主婦の手にかかっていると言っても過言ではないわけですから、主婦が賢くならなければならないと思っております。
 女性の社会進出の問題がありますが、社会に出ていても家庭での役割を果たそうという努力をすればできないことはないと、私自身は感じます。
 もちろん家庭で時間がたくさんがあれば、もっと食に丁寧に接していけるようになると思います。やはり私たち女性の祖先がやってきた心意気をもう一回勉強し直していく必要があると思います。

【司会】 ありがとうございました。先ごろ新聞にこういった記事が載っていました。ベターホームという全国18カ所で料理教室を展開している財団法人が、60代の男性受講者に行ったアンケートで、8割の方が「料理に性別は関係ない」と答えています。
 「料理は男性に向いていると思うかどうか」という質問に80.4%が性別には関係ないという結果が出ました。
 その一方で女性の社会進出ということで見ますと、世界経済フォーラムという会議で、日本は何と79位と発表されました。
 先進7カ国G7の中では最下位という結果が出ました。このことについて、細川さんはどのようにご覧になりますか。

【細川】 優秀な女性が社会に出て活躍されるのは結構なことだと思います。しかし同時に、相川先生からもお話がありましたように、女性の家庭での役割も大切にしていただきたいと思います。
 男は、総理大臣であろうが大統領であろうが、子供を生むことはできません。
 子供を生むことは、女性にしかできない神から与えられた役割だと思うのです。
 また、子供にとって母親は、掛け替えのないこの世界でたった一つの存在なわけです。
 やはりそこで女性がお母さんとして子供を育て、愛情をしっかり注いでいくことは、子どもの心身の成長にとても大事なことです。
 「三つ子の魂百までも」と言いますけれども、幼いときに母親の愛情をしっかり受けた子供は、一生にわたる人格の基礎を得ると思います。
 社会で活躍されている女性は、お忙しいとは思いますけれども、家庭での役割もぜひ頑張っていただきたいと思います。また私自身も含めて男性も、できることは手助けをして、夫婦円満、夫婦一体で温かく楽しい家庭をつくっていきたいものだと思います。
 子供はそういう環境においてこそ心身ともに健やかに育ちます。食べ物だけ与えればいいのかというとそうではないわけです。
 子供の成長には心の成長が伴っていなければいけません。父親や母親、あるいはおじいさん、おばあさんなどの家族とのかかわりの中で、子供は社会のルールや規範を学んでいくのです。家族が共に食事をする場は、家族のかかわりの中でも、大切な場です。それぞれのご家庭で、食の在り方について、もっと考えていただきたいと思います。

 次回に続く。