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フィクストインカム投資入門 その3.債券の年限と金利②

2011年04月21日 | 資産運用 
きのうの復習

フィクストインカム投資とは、「決まった投資年限に対して、決まったリターンを確保できる投資」です。

10年債を10年持ち続けると、100で買った元本は必ず100で償還されますので、価格変動のリスクはありません。買った時にもらえるはずの金利を10年間もらい続けて終了です。これがフィクストインカムの「フィクスト」つまり「決まっている」という本来の意味です。

しかしきのうは、1年間の投資期間だけど、金利の高い10年債を買ったらどうなるか?という疑問への回答を、途中までしました。

ブルームバーグによれば、昨日の金利レベルは
1年物 0.21%
10年物 3.37%
でした。その差3.16%はけっこう大きいですよね。

勝負してみますか?

もし価格に変化がなければ、つまりは金利に変動がなければ3.16%の超過利回りを得られます。でも金利がちょっと動くと、得もあるけど損もあります。金利がどれくらい動くと、3.16%の差が相殺されてしまうか、それが問題です。

厳密な債券計算をフィデリティのサイトで行うと、1年後の9年物金利が3.78%くらいで収支トントンになります。つまり3.16%の超過利回りが、価格下落によるキャピタルロスで相殺されて、ブレークイーブンになってしまいます。

3.78%というのは、もともとのスタート時点のクーポン金利が3.37%でしたので、0.41%高くなった金利です。この程度の金利変動は大いにあり得る変動です。

この金利変動と、価格変動のメカニズム、かなり面倒ですよね。債券がもっとも理解しづらい部分です。
次回は、その難しいメカニズムを違う角度から解説してみます。いくつかの角度から見てみると、きっとわかってくると思いますので。
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