ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

新刊「投資は米国債が一番」幻冬舎刊
「証券会社が売りたがらない米国債を買え」ダイヤモンド社刊
電子版も販売中

日本株は魅力的か

2013年08月13日 | 2013年からの資産運用

前回8月8日の記事に対して、山さんからいただいたコメントに回答しながら、今後の株式相場について、私の見方を述べていきたいと思います。


>そもそも外人から見て、日本企業や日本経済は、魅力的なのでしょうか。今の相場がアベノミクスと称して始まったばかりのころ報じられた外人投資家の言い分 は、「日本株は割安」ということでした。私には、将来的に魅力がある、というふうには、とれませんでした。

  私も山さんのコメントにかなりの部分、賛成です。全面的にということではありませんが。昨年の11月の日本株買いのスタート時点で、日経平均銘柄全体のPERは13倍台という低さでした。これは「割安」の目途となる数値です。他国に比べてというより、日本企業の収益力から見て割安というのがPERです。

  では次に日本企業や日本経済は魅力的か、という部分ですが、ここは少々意見が異なります。

山さんは言外に「そんなに魅力的じゃないでしょう」と言っているように聞こえます。この部分は、私は少し違う意見を持っています。理由は、

1.内部にいると自分を厳しく見がちになる。企業に働いていると、自分の芝生の欠点がよく見えるため、他人の芝生が緑に見えがちです

2.自国がダメでも、世界を相手にする企業は大丈夫

3.アベノミクスへの期待は、世界の投資界では高く評価されている


1について。会社人間は自社を低く評価しがちになりますが、それと同様に日本人は日本経済・財政などの欠陥もよく知っているだけにシビアに見がちです。特に「20年もダメだったんだから、これから高齢化を迎えればさらにダメになるのは当然だ」と思ってしまいます。外にいる人間に欠点・欠陥はさほど大きく見えません。気が付くのは爆発した時です。

2について。株式相場全体は個々の企業の集合体ですから、当然優劣はあるわけで、将来性のある企業も数多くあるのです。自国がダメなら海外で稼ぐのも、当たり前の企業行動です。日本企業の技術力、製品開発力を裏付けとした成長性は海外投資家から見れば依然魅力十分と見えるのです。

  3について。株式相場はテーマでかなり動きます。テーマ性からいえば、アベノミクスの打上げ花火の大きさは飛びついて当然のテーマです。私が先日述べた通り、アメリカのFRBは今や世界の中央銀行として一挙手一頭足を見られ、その言動で相場が左右されます。ECBも日銀もその延長線上で見られていて、政府・日銀の政策運営により相場はこれまで以上に大きく左右されるのです。

つづく
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする