お待たせしました。
「今後の予想株価、いったいどこまで上がるのか」をお届けします。
先週、予告をさせていただいた今後の株価の見通しについて、今後私の見方を何回かに分けて紹介していきます。
株価予想なんて当たりっこないのですが、敢えてこうした書き込みをする理由を先に申し上げますと、みなさんが資産バブルに踊らされないためには、どのような金融市場の見方を身につけるべきかをお教えしたい、その一心からです。
私の金融市場の評価方法はどの市場であっても同じ評価方法を取ります。その評価方法とは、「将来のキャッシュフローの割引現在価値」を使う方法です。これは株価、不動産価値、債券価値すべてに共通します。
ということは、金の卵を生まない「ゴールド」は資産として評価しない、つまり一銭の利子も生まない「ゴールド」には投資価値を見いだせない、という結論にもなります。
こう書きますと、「わかんにゃい」とななしさんから言われそうなので、それをなるべく簡単にわかりやすく書くことをトライしますが、わかりづらければ遠慮なく質問ください。
これから書こうとしている株価予想の根拠は株価収益率それも「予想株価収益率=PER」をメインに使います。PERは現在の1株の株価が来期の1株当たり予想純利益の何倍になっているか、という指標です。そしてここで用いられる予想純利益は企業自身が発表する自社の予想利益です。証券会社の勝手な先回り予想ではありません。
この方法は「会社が生み出す将来のキャッシュフローを割引率で現在価値に評価する」という本来のあるべき方法とは異なりますが、それがあまりにも面倒かつ割引率に恣意性も入るため、簡便法としてPERを指標に使います。
さて、私が時々使用している株や為替の「アベチャン指数」は解散前の11月時点を基準にしていますが、まずはそれに沿ってPERの推移を追ってみましょう。
時期 予想利益 できごと PER 日経平均
11月中旬 9月決算時点3月予想 平常時 13倍 8,700
3月末 同上 アベノミクス後 20倍 12,000
4月中旬 同上 異次元緩和発表後 24倍 13,000
5月20日 14年3月期予想 決算・予想発表後 17倍 15,360
アベノミクス前のPERは、12年9月期に企業から発表されていた13年3月期の予想利益に基づいた値ですが、平常値と言えるレベルの13倍程度でした。それがアベノミクス発表後3月末には20倍に達し、4月4日の異次元緩和発表でさらに24倍と高いレベルにまでなっています。企業予想が発表されていないなか、投資家が先行して増益を予想し買い上げた、ということになります。
しかし企業側が3月期の決算発表を本格化し、同時に来年14年3月期の予想を発表するとそれに合わせてPERは17倍に一気に低下しています。
株価は昨年11月中旬から大きく上げ始めたのですが、それより以前の13年3月期の決算予想と実際の決算ではもちろん乖離がありました。どれくらいかと申しますと本日(5月20日)発表の集計では上場1,300社の経常利益予想と実際の決算は9%の乖離だそうです。
そして今後の利益予想ですが、14年3月期の企業による経常利益予想は同様に1,300社の集計で24%の増益だそうです。ちなみに企業の円ドルの想定レートは90-95円のレンジで、現在の100円を超えるレベルよりだいぶ低い想定になっています。
PERの歴史的平均は世界的には13倍から15倍程度ですので、アベノミクス発表前は平均値でしたが、その後の24倍という数値はかなり高い数値であることがわかります。
4月中旬以降徐々に、13年3月期決算の好調な数字が出始め、来年度末の予想がそれをさらに大きく上回るとPERは20倍を割り込むほどまで急低下しました。来年3月の決算が24%の増益となりそうだということがPERの計算に入ったからです。
そして現時点では14年3月期の24%増益を織り込んでいる株価は15,300円台、PERは17倍になっています。ということは歴史的平均値の上限15倍を少し上回る程度だ、と言えます。
では今後、いったいどこまで株は買われるのか、次回はこのやり方でまず株価の先行きを予想してみましょう。
「今後の予想株価、いったいどこまで上がるのか」をお届けします。
先週、予告をさせていただいた今後の株価の見通しについて、今後私の見方を何回かに分けて紹介していきます。
株価予想なんて当たりっこないのですが、敢えてこうした書き込みをする理由を先に申し上げますと、みなさんが資産バブルに踊らされないためには、どのような金融市場の見方を身につけるべきかをお教えしたい、その一心からです。
私の金融市場の評価方法はどの市場であっても同じ評価方法を取ります。その評価方法とは、「将来のキャッシュフローの割引現在価値」を使う方法です。これは株価、不動産価値、債券価値すべてに共通します。
ということは、金の卵を生まない「ゴールド」は資産として評価しない、つまり一銭の利子も生まない「ゴールド」には投資価値を見いだせない、という結論にもなります。
こう書きますと、「わかんにゃい」とななしさんから言われそうなので、それをなるべく簡単にわかりやすく書くことをトライしますが、わかりづらければ遠慮なく質問ください。
これから書こうとしている株価予想の根拠は株価収益率それも「予想株価収益率=PER」をメインに使います。PERは現在の1株の株価が来期の1株当たり予想純利益の何倍になっているか、という指標です。そしてここで用いられる予想純利益は企業自身が発表する自社の予想利益です。証券会社の勝手な先回り予想ではありません。
この方法は「会社が生み出す将来のキャッシュフローを割引率で現在価値に評価する」という本来のあるべき方法とは異なりますが、それがあまりにも面倒かつ割引率に恣意性も入るため、簡便法としてPERを指標に使います。
さて、私が時々使用している株や為替の「アベチャン指数」は解散前の11月時点を基準にしていますが、まずはそれに沿ってPERの推移を追ってみましょう。
時期 予想利益 できごと PER 日経平均
11月中旬 9月決算時点3月予想 平常時 13倍 8,700
3月末 同上 アベノミクス後 20倍 12,000
4月中旬 同上 異次元緩和発表後 24倍 13,000
5月20日 14年3月期予想 決算・予想発表後 17倍 15,360
アベノミクス前のPERは、12年9月期に企業から発表されていた13年3月期の予想利益に基づいた値ですが、平常値と言えるレベルの13倍程度でした。それがアベノミクス発表後3月末には20倍に達し、4月4日の異次元緩和発表でさらに24倍と高いレベルにまでなっています。企業予想が発表されていないなか、投資家が先行して増益を予想し買い上げた、ということになります。
しかし企業側が3月期の決算発表を本格化し、同時に来年14年3月期の予想を発表するとそれに合わせてPERは17倍に一気に低下しています。
株価は昨年11月中旬から大きく上げ始めたのですが、それより以前の13年3月期の決算予想と実際の決算ではもちろん乖離がありました。どれくらいかと申しますと本日(5月20日)発表の集計では上場1,300社の経常利益予想と実際の決算は9%の乖離だそうです。
そして今後の利益予想ですが、14年3月期の企業による経常利益予想は同様に1,300社の集計で24%の増益だそうです。ちなみに企業の円ドルの想定レートは90-95円のレンジで、現在の100円を超えるレベルよりだいぶ低い想定になっています。
PERの歴史的平均は世界的には13倍から15倍程度ですので、アベノミクス発表前は平均値でしたが、その後の24倍という数値はかなり高い数値であることがわかります。
4月中旬以降徐々に、13年3月期決算の好調な数字が出始め、来年度末の予想がそれをさらに大きく上回るとPERは20倍を割り込むほどまで急低下しました。来年3月の決算が24%の増益となりそうだということがPERの計算に入ったからです。
そして現時点では14年3月期の24%増益を織り込んでいる株価は15,300円台、PERは17倍になっています。ということは歴史的平均値の上限15倍を少し上回る程度だ、と言えます。
では今後、いったいどこまで株は買われるのか、次回はこのやり方でまず株価の先行きを予想してみましょう。