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アベノミクスと株価上昇

2013年05月08日 | ニュース・コメント
  みなさんの連休はいかがでしたか。

  私は連休中に新潟県を旅行しました。日本海に面した寺泊にある息子の嫁さんの実家を訪ね、そのあと弥彦山に登り、初めて佐渡に渡りました。佐渡では両津からレンタカーを借りて相川に近い昔の金山跡を訪れました。江戸時代の金鉱跡に実物大のやけにリアルな動く人形達がいて、その時代の道具を使い金鉱探索と掘削の様子を再現しています。なかなか見応えのある金山ツアーでした。

  それから佐渡の南西の突端にある港町、宿根木(しゅくねぎ)を訪れ、「鼓童」という和太鼓のパフォーマンスを見ることができました。十数名の若者が一糸乱れず太鼓を打つ、迫力満点の舞台でした。

  そのそばにある郷土資料館には、江戸時代の「北前船」を実物大で忠実に再現した船が置いてあります。宿根木は江戸時代、北前船の停泊地で、海上交通の要衝だったそうです。むかし読んだ司馬遼太郎の「菜の花の沖」を思い出し、往時の繁栄を偲ぶことができました。


  さて、このところ上昇著しい株式相場をレビューしておきましょう。連休明けの株式相場の強さには本当に驚かされますね。NYダウの15,000ドル乗せ、そしてそれに迫る日経平均株価の14,000円乗せ。ドルと円の違いはあれ、日経平均もいずれダウと同じ数値に迫る勢いがありそうです。

  本日の日経新聞の1面トップは「日本株 海外マネー流入」とあり、「海外勢なお買い余力」と小見出しにあります。何故余力があるといえるのか、理由は書いてない、いい加減な見出しです(笑)。

  ではこれまでもたびたび見てきたように、誰が買って誰が売っているかを見ておきましょう。買い越しはもちろん外人で、日本の法人と個人がその分を売り越しています。
            
                      日本勢     外人勢    単位兆円
                   法人  個人    
12年11月―13年4月累計  △5.4  △2.9    8.4
4月単月             △1.0  △1.7    2.6


  この半年で外人が8.4兆円を買い越し、日本の法人と個人が8.3兆円を売り越しています。4月単月でも同じ様な図式で、外人が2.6兆円を買い越し、その分は法人と個人が売り越しでした。(日本勢にはこのほか証券会社などもあるため、合計は一致しません。)

  3月の第3週に一時的に個人が買い越し、外人が売り越した週がありましたが、それを除くと外人買い、日本人売りのトレンドが依然として継続しています。

  一般的に報道では「個人が今年になって本格的に株式投資に参入し、買っている」となっています。もちろん個人は大いに買ってはいるのですが、逆に売っている人も多く、合計では売り越しています。きっと過去の高値つかみの株が、やっと手放せるレベルまで回復し、売却しているのだと思われます。

  これは法人でも同様です。法人の内訳は事業法人、投信、金融法人などですが、シェアーからすると金融法人の売りが圧倒的です。

  半年で8兆円を超える外人買いは、小泉政権下でも同じくらいの買いが入ったことがありますが、今回は量もスピードもそれを上回りそうです。

  では次に、これまでも折に触れてチェックしてきた私が勝手に言っている『アベチャン指数』を見ておきます。解散宣言前日の11月13日を起点に、2月末、黒田新総裁政策発表前日の4月3日、そして本日5月8日を比較しています。

         11月13日   2月28日       4月3日      5月8日 
日経平均   8,661円  11,559円(33%)   12,362(43%)   14,285(65%)
円レート    79円     92円 (16%)     93円 (18%)    99円 (25%)

  この間を見ますと、2月末までのスピードは速く、3月には株価上昇は10ポイント程度、円安も2ポイント程度でスローでしたが、4月に入って再び株価上昇と円安が加速、連休明けはさらに勢いを増しています。11月比較で株価はなんと65%の上昇、為替は25%の円安となっています。

じゃ、いったいいつまで、そしてどこまで株価は上がるのか?

  そんなことがわかったら、だれでも儲けられますよね。そのわかりっこないことに、次回は敢えて挑戦してみます。

あっ、不動産のお話も忘れていませんよ(笑)
コメント (2)
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