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彷徨さんのコメントへの回答

2013年05月18日 | 2013年からの資産運用
彷徨さんへ

いつもコメントをいただき、ありがとうございます。

彷徨さんは相変わらずよいタイミングでトレードされているようですね。

いただいた次の質問について、私なりの考えを申し上げます。参考にしてみてください。

>相場水準の訂正を待って日本REITや日本株に再度戻すか、それとも一段の円安と米国株高を期待して米国ETFやREITにトライするか、検討中です。
世界中の中央銀行が超金融緩和を志向するなか、日本の年金生活者のインフレヘッジどう図ったらよいか、ご教示いただけますと大変幸いです。


  まず日本の株式とREITですが、すでにかなりのレベルに達しています。たとえ長くて数カ月単位での短期の売買だとしても、現在のような変動幅の大きなときは儲けも損失も思わぬ大きさになる恐れがあります。よほどの相場好き、かつ相場巧者でない限り「日本株からはおさらばしましょう!」その後安くなっても、近寄らないことです。次にまた高くなるとは限りません。株式については、今後より詳しく書くつもりです。

「日本の年金生活者のインフレヘッジをどうするか」、これを中心テーマにするなら、短期での投資は避けて長期レンジでの投資に徹するべきだと思います。

  世界の中央銀行の超緩和政策ですが、欧州と日本は継続せざるを得ないと思いますが、米国は出口を探り始めています。潜在成長力のある国は羨ましいですね。米国の金融政策の変更は、どんなにちょっとした変化でも世界の金融市場には大きなインパクトとなります。FRBは実際の政策変更時点より前に、牽制球を小出しに投げ始めますので、そこから市場は先取りを始めます。その時株式は大きな下げを演じる可能性があります。

  アベノミクスの目標どおりに2%程度のコントロールされたインフレならば、年金生活者は心配いらないはずです。年金にインフレスライド条項があるからです。
しかし目論見と違って大インフレになるときは、金融資産は外貨建てにする以外にヘッジしようがありません。年金支払額を大インフレにそのままスライドさせる余裕はないからです。

  以上のことを考慮すれば、私のお薦めは今までと変化ありません。資産を円に置くリスクを感じていらっしゃれば、いまからでも徐々に外貨にシフトすることをお薦めしますアベノミクスがワークしてもワークしなくても、長期的には円安になると思いますので。

  外貨の運用先として、米国債以外では米国REITをお薦めします。今は利回りが低くなっていますので絶好の買い場とはいえませんが、米国株式のETFとの比較では、長期的にはより報われる可能性が高いと思います。
コメント (6)
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