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2013年からの資産運用 その28、Jリートの暴落

2013年05月16日 | 2013年からの資産運用
2013年からの資産運用シリーズの番号を間違えて25がダブってしまいました。今回はそれを修正する意味で28回といたします。

  前回(26回)から今後の日本の不動産市場をどうみるか、というお話を始めました。初回は個人の住宅について、

1.長期的には人口減少が影響するためブームは来ない
2.マンションは売れているが、戸建ての着工数のレベルは低いままだ
3.消費税の値上げ2回見込まれるため、駆け込み需要があるが、それは需要の先取りで終わり、大きなブームのきっかけとはならない
4.大都市には都心マンションへの回帰の動きがあるが、その分郊外はさびれる


このような分析をしました。

  次にJREITの本命であるオフィスビルについて書くつもりでしたが、このところ東証REIT指数が下落スピードを速めていますので、まずそこに触れておきます。

  REIT指数は本年3月27日の終値で1,700を付けました。その半年前までちょうど1,000前後でしたので、一気に70%も上昇したのですが、その後は連休まで1,600前後で横ばいを続けていました。5月1日は1,603だったのが2週間後の本日、5月16日までで1,397と206ポイントも暴落しています。株式相場が沸騰している最中なのに、ピークの1,700から較べると18%も下落しています。

  私は偶然ピークの前日3月26日のブログで以下のように書いています。

引用

REIT指数は長い間1,000程度、利回りは5%くらいで低迷していました。私が著書でも指摘した、「おいしい水準」でしたね。それがアベチャン出現前の昨年秋ころから上昇を始め、現在は1,500を超えていて、予想利回りは3.5%程度まで低下しています。

  このタイミングからの投資、みなさんならどうしますか?

  利回りだけを見れば、これまでの青信号が黄色信号になったと私は思います。まだまだ指数は上昇する可能性があると思いますが、黄色から赤信号は時間的に短いことが多いので、ここからの投資はあまりお薦めしません。

引用終わり

  その前後でPuffinさんから新たに組成される「☆の屋」のREITについて、「買いは薦めません」と書きました。そしてPuffinさんはお手持ちのREITを売却されたようです。その後、この2週間で暴落を迎えています。

  この暴落ですが、REIT市場に大きなニュースや変化もなく、日銀は現在もコンスタントにREIT買っている中での暴落であることが私の注意を引いているのです。
  
どういうことか、解説します。

  売られた原因は、買われ過ぎの反動だと思われます。以下のことは何度か指摘していますが繰り返しますと、

1.REITは利回り商品だ
2.日本の投資家も前回のREITバブルを反省している
3.利回りに目が向くようになれば、大バブルは来ない


  以上の見方が少なくともこの2カ月は当たっているようです。REITは利回りと言う信号機を持っているため、投資家も比較的黄色や赤信号に気付きやすいのです。3%前後は黄色信号なのです。


  さてこのことは、現在ユーフォリア状態にある株式相場にもある程度当てはまる可能性があります。株は利回り商品ではありませんが、「誰も大バブルは忘れることはできない」のです。

バブルを忘れたいのは証券会社だけです(笑)

つづく
コメント (4)
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