写真は、埼玉県・さいたま市、浦和コルソ7階の浦和コルソホールです。
190604、埼玉県入試フォーラム2019に出席しました。
会場は、埼玉県、浦和コルソ7階の浦和コルソホール。
主催は、NPO埼玉教育ネット。
参加者は、100人以上はいたでしょうか。
NPO埼玉教育ネットの公式HPは、↓をクリック。
http://www.s-k-net.jp/
講演してくれる先生は2人です。
● 安田賢治さん(㈱大学通信 常務取締役)
● 岩佐桂一さん(岩佐教育研究所)
各講演の、気になったところを紹介します。
1人目、安田賢治さんの講演です。
講演タイトルは「大学入試のための大変化・教育改革への挑戦」です。
----------------------------------------------------------------------
● 日本の18歳人口の減少は、基本的に止まらない。高3生からすると、大学に入りやすい状況となる。大学からすると、経営が厳しい状況となる。2019年度、大学入試では、4年生大学への進学者は約53%。この割合が、急激に増えるわけでもないので。
● 2018年度、大学入試と比べると、2019年度、大学入試は、センター試験志願者数が減った、国立大一般入試は変わらず、公立大一般入試は増えた、私立大一般入試は増えた。首都圏の私立大学定員厳格化により、私立大は併願受験が増えた。私立大のセンター試験利用も増えた。
● 2019年度、首都圏の私立大学入試について。私立大学の難関・上位校、早慶上理(早稲田、慶応義塾、上智、東京理科)、GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)の志願者数は減ったところが多かった。増えたのは、東京理科大と中央大だけ。首都圏の私立大学定員厳格化により、自分が合格しなさそうなら1段階下げて、合格しやすそうなところを狙っている感じがある。
● 2020年度、大学入試は、センター試験最後の入試となる。2019年度、大学入試以上の安全志向となり、浪人しても合格できるかわからない。だから、1段階下げて、現役合格を狙ったのだと思う。2021年度、大学入試から、大学入学共通テストがある。未知のものであるため、受験生は敬遠しがちだろう。2020年度、大学入試は、2019年度、大学入試以上に安全志向になるかも。
● 首都圏の私立大学定員厳格化は、2019年度、大学入試から3年間、大規模校は1.1倍、中規模校は1.2倍、小規模校は1.3倍となった。2019年度、大学入試では1.0倍になる予定だったが、そこまではならなかった。
● 2019年度、大学入試、MARCHの合格者数について。埼玉県公立高校の最上位校も合格者が増えた。首都圏の公立・私立高校を見てみると・・・。合計合格者数の1位は、埼玉県、私立・大宮開成高校で561人、昨年比+106人。4位は、埼玉県、公立・浦和一女高校で418人、昨年比+151人。11位は、埼玉県、公立・浦和高校で401人、昨年比+125人。
● 2021年度、大学入試から大学入学共通テストになる。どこが変わるのか? 「学力の3要素」を見ていく試験に変わる。その3要素は、①知識・技能 ②思考力・判断力・表現力 ③主体的に多様な人と協働して学ぶ。センター試験では、①重視になっていると考えられていて、それを変える。日程は、センター試験と同じ。2021年1月15日、16日。数学と国語に記述問題を導入。英語の4技能をはかることになり、「書く」「話す」は外部の民間試験の成績を使う。
● 英語の4技能のうち「書く」「話す」について。高校3年の4~12月に受験し、2回分の成績で高得点のほうを大学入学共通テストの成績とする。ケンブリッジ英検、英検CSE、GTEC、IELTS、TEAP、TOEFL、TOEICを外部英語試験に認定。国際基準のCEFR(セファール)により6段階評価にする。
● 大学入試の名称が変更になる。一般入試→「一般選抜」。AO入試→「総合型選抜」。推薦入試→「学校推薦型選抜」。AO入試、推薦入試に学力を求めるようになる。小論文、プレゼン、実技、各教科・科目のテスト、大学入学共通テストの成績など。そして、一般入試では学力だけを見るのではなく、高校時代の活動歴を見るなど。結果、AO・推薦と一般は似てくる。
● 高校時代の活動歴は、大学の先生が「JAPAN e-Portfolio」で見ることになる。「JAPAN e-Portfolio」とは、高校生が自分の活動歴をネット上に入力していき、高校の先生が承認する。出願のあった大学がこれをネット上で見ることができ、評価していくもの。ただ、私立大学は、たとえば5万人の出願があった場合、ネット上ですべてを見ることができるのか? 入力した内容が使えない可能性もある。日記のようなものとか。
● 大学入試改革が発表されてから、中学入試や教育方法も変わった。中学入試では、思考力をはかる入試などが導入された。教育方法では、アクティブラーニング、ICT教育など多様化している。大学付属校人気が高まった。新しい大学入学共通テストを受験しなくても、系列の大学に入学できるため。
● 東京23区内の大学は、今後10年間、定員増不可となる。学部を新設するとしても、現在の定員内でやりくりする。都心にキャンパスを新設予定なのは、4つの大学。東京国際大学は、池袋に新キャンパス。専修大は、神田に新キャンパス。東洋大は、ライフデザイン学部が朝霞から赤羽台に移転。中央大は、法学部が多摩から茗荷谷(後楽園キャンパス)に移転。
● 小学校は、2020年4月から新学習指導要領全面実施。2020年から小学1年生に、プログラミング教育を導入。2020年から小学5年生、小学6年生に「外国語科」の科目が入る。教科になるので成績がつく。移行期間である2018年、2019年に、本格的に「外国語科」を入れている自治体もある。アクティブラーニング(AL)が小学校でも始まっている。生徒は、45分の先生の授業が聞けなくなることも。ノートも取れなくなっていくかもしれない。近年は英語に力を入れていたが、最近はプログラミングに力を入れていることがある。
● 大学入試、まだ2年は混乱が続く。2020年度、大学入試、センター試験が最後。不合格になると、新しい大学入学共通テストの対策が難しくなる。だから、安全志向が強まる。浪人生は、ほとんどいなくなるのでは? 2021年度、大学入試、大学入学共通テストの初年度。過去問などがないので、まだ対策は難しい。安全志向が強まる。
----------------------------------------------------------------------
2019年度、大学入試の特徴がありますよね。
それは、GMARCHの合格者数です。
GMARCHとは、学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政の頭文字です。
● 1位は、埼玉県、私立・大宮開成高校で561人、昨年比+106人
● 4位は、埼玉県、公立・浦和一女高校で418人、昨年比+151人
● 11位は、埼玉県、公立・浦和高校で401人、昨年比+125人
浦和高校、浦和一女高校といったら、北辰偏差値では【SS 70】くらい。
埼玉県の公立高校の中では、学力最上位校です(あとひとつは大宮高校)。
その両巨頭のGMARCH合格者数が増えましたね。
本来は、国公立大学や早慶上理に合格している受験生も・・・。
GMARCHへと、ほんの少しだけ下りてきたような印象です。
ちなみに、早慶上理とは、早稲田、慶應義塾、上智、東京理科大です。
私立大学は、合格数をしぼっているので・・・。
浪人しても、2020年度は第一志望に合格できるかわかりません。
併願校として、現役で入学することも多かったでしょう。
そして、上から下りてくるので・・・。
以前はGMARCHに合格していた層が不合格になっているような★
その層は、GMARCHより少し下りていく感じでしょうか。
2019年度の私立高校説明会では・・・。
「GMARCHが難しかった」という話を何度も聞きましたよ。
その中でも合格者数を増やしている私立高校もあるのですが。
たとえば、上にある大宮開成高校などですね。
もちろん、私立大学は、ひとりで何校も受験できる・・・。
それはあります。
本当の私立高校の実力を読むには・・・。
国公立大学の合格者数を見ることが多いですね。
国公立大学は、原則、ひとりで1~2校しか受験できないと思うので。
もうひとつ気になるのは、2021年度からの大学入学共通テストです。
英語が、外部の民間試験になります。
中学校の部活にて、指導する人を外部コーチに任せるような★
この記事を書いている現時点で、わかることを見ていきましょう。
・・・それは、次回へ続く。
----------------------------------------------------------------------