土曜日、会社の休みを利用して 倅が田植えを手伝ってくれた。
今日もたくさんの乗客を乗せて、釜石に向かうSL銀河が通る。
6 月11日のラストランが迫る。
今から60、いや70年ほど前の山の小さな小学校、複式学級の3、4年生合わせて25人ほどの教室。
「明日から田植え休みです、お手伝いを・・・」元々勉強より外で遊ぶことが好きな子供たち、
翌日から父母と田んぼに出て、小さな兄弟がいれば子守りをしたり、田んぼに出て、苗代で父が束ねた苗を少し離れた母のもとに運び、母はその苗を1株1株田んぼに植える。
苗が足らなくならないように間隔良く田んぼに投げ入れておく、まっすぐに植えれるように張った細縄の移動も手伝い、空いた時間は畔に寝転がって「鉄腕アトム」、そのうち「アトム」も飽きたころ見様見真似で母の真似をしてみる。
左手で苗を小分けして右手で植える、小さな子供の手ではなかなか難しい、母をそれを見て、いろいろとアドバイス、これが農業後継者育成の第一歩、元々器用な子供たち、数日もしたらそれなりに植えている。
田植え休み中のある朝、当時どこの農家も便所は別棟にあり、離れた便所までは面倒とばかり「誰も見ていないはず・・」と、窓から小便をしたら、あいにくと母に見つかってしまいひどく叱られた。
一緒に田んぼに出かけるのも嫌で、朝ご飯を済ませて、近くに住むおばさんの家に行き「おばさんに手伝ってきてといわれた」とうそをついてその日一日はおばさんの手伝いをした。
思いがけない手伝いに、おばさんは喜んでおやつもいっぱい、夕方、帰りにはお小遣いももらった。家で手伝うよりだいぶ得をした気分。
昔々、そんな田植え休みが6月の初めころだったと思う、1週間ほど続いた・・・いま、田んぼに子供の姿は見えない。
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