世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

ファサードのレリーフが見事な大聖堂以外にも散歩が楽しいアングレームの町です(フランス)

2015-09-20 08:00:00 | 世界の町並み
 パリとボルドーとの間に位置して、世界遺産のサンチャゴ参詣道の教会やジャンヌダルクの裁判が行われた裁判所などのほか数多くの教会がある町がポワチエでした。このパリとボルドー間のポアチエとボルドーとの中間あたりにあり、ロマネスクの教会や美しい市庁舎がある町がアングレームです。今回は、日本人の観光客の姿を見かけませんが、素敵な地方都市の一つを紹介します。

 アングレームは、ボルドーの北北東100kmほど、TGVで約1時間です。この区間はTGVも在来線を走るのであまりスピードは出せず時間がかかります。鉄道はシャロント川に沿った草原地帯を走り、町の中心は、鉄道駅の南西の小高い丘の上の200m×400mほどの楕円形の城壁に囲まれた地域にあります。シャロント川による交易で古くから栄え、軍事拠点としても重要であったらしく、町を囲む城壁や城砦もその名残のようです。14世紀にはイギリスとの百年戦争で領有権がフランスとイギリスとの間で行ったりきたり、16世紀には宗教戦争との場にもなったようです。近頃では、毎年1月に国際漫画祭が開催され、ヨーロッパ最大級の漫画祭として、こちらはごく平和的な場所になっているようです。

 
 
 
 
 
 アングレームを代表するロマネスク様式のサン・ピエール大聖堂は、丘の南西端あたりにあり、聖堂の前の展望台からは、丘の下をトンネルで抜けた鉄道線路が伸びているのが望めます。この聖堂の特徴は、大面積のファサードいっぱいに彫られたレリーフで、一つ一つ写真を撮ってるときりが無いくらいです。ファサード部分は、奥行きが薄く、横から見ると、この部分だけがパネルにレリーフを彫って貼り付けられたような感じに見えます。このようなファサードのレリーフは前回に紹介のポアチエにあるロマネスクの教会のノートルダム聖堂でも目立った感じでしたが、アングレームの聖堂の方が背丈が高い分だけ圧倒されます。ノートルダム聖堂でも感じたのですが、こちらのサンピエール聖堂も基壇が無く道路から建物が生えているように建っています。こちらは、聖堂前の広場も無く、車の行きかう道路のすぐそばに建っています。

 
 サン・ピエール大聖堂の手前には、聖マルティリアス聖堂があります。こちらもロマネスクのようで、規模は小ぶりですが、一本の尖塔がすっくと建つ姿や入り口の周りのレリーフは名かなか綺麗です。11世紀、リモージュ初の司教の名前を冠した聖堂のようですが、日本のガイドブックなどにはほとんど情報がありません。

 
 
 
 
 さらに、これら2つの教会以外にも、他の教会や劇場の建物や市役所の建物など、町歩きが楽しくなる建物が数多く建っています。日本では、どうしてこのような古い建物を、まだ使える状態なのにぶっ壊してしまうのでしょうか。市役所の建物は、内部の見学もできて、まるで宮殿のような豪華さです。

 フランスは観光立国で、世界中で最も観光客の来訪が多い国の一つと言われています。しかしながら、ドイツなどと比べると、個人旅行をする人間にとっては、色々と不便なことの多い国の一つです。まず、世界に誇る高速鉄道網は速いのですが、パリを中心にダイヤが組まれていて、パリを中心とする同心円状に移動しようとすると、乗換えが多く、ダイヤ密度が粗く、時間もかかり不便です。また、地方都市に行くと、公共輸送機関が無く、タクシーに頼るしかありません。さらに、最も困るのは、鉄道駅に荷物預かりのシステムが無いことです。有人はおろかロッカーも設置されいません。ドイツでは、大型のスーツケースも入るロッカーが各駅に設置されていて困ることは無かったのですが。一方、わが国の駅では、鍵をケータイの電番にしたシステムが普及しています。着信側に発番号が送られることを利用したもので、鍵の管理が要らなくなるので便利です。ただ、かなりの人が、どこのロッカーに荷物を入れたかを忘れてしまうのも事実で、この場合は物理的に鍵が手元にあったほうが探しやすいかもしれません。


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