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世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

名前は怖いのですが、ひっそりとたたずむ青鬼集落には、みんなが思う故郷のような風景が残されています

2009-08-02 09:16:45 | 日本の町並み
 清洲の地酒には「鬼ころし」というこわそうな名前が付いていましたが、数ある重要伝統的建造物保存地区の中に青鬼(あおに)集落という名称の集落があります。信州の山奥にひっそりとたたずむ村は、棚田の向こうにアルプスが見え、カメラやスケッチブックを持った人も多く訪れるようですが、筆者が訪れたのは早朝だったため村人すら歩いていない静かでひっそりとした風景を見ることができました。

 青鬼集落は、長野県北部の白馬村の東に位置します。大糸線の信濃森上から東に2kmほど山道をはいったところで、もちろん公共の輸送機関はありませんから白馬の駅からタクシーということになります。ちなみに、白馬村の白馬は、現在はハクバと発音されることが多いようですが名前の由来からはシロウマが正しいのです。春先に残雪が描く雪形の中に馬の形のものがあり、ちょうどそれが現れるのと田んぼの代掻きをする時期がだということで、この雪形を代掻き馬(しろかきうま)と呼び習わされ、これが転じてシロウマになったようです。漢字で表現した後に読みまで変わってしまったわけです。

 さて青鬼集落ですが、長野県の北部には鬼の付く地名が多く、鬼無里などは有名です。鬼といっても、どうもいい鬼のようですが、地名の由来の詳細はちょっと不明です。集落には十数軒の農家があり、どちらの家も大きな屋根のある明治の頃に作られたもののようですが、維持が大変なためでしょうかトタンで覆われていて茅葺は1軒も残っていません。

かつて、福島県の大内宿で、消失しそうになった茅葺を復活させたように、なんとか元に戻せないものでしょうか。ただ、そうなると観光客がドーッと押しかけて、現在の静かな環境が失われてしまい、このままそっとしておいたほうがいいのかもしれません。この青鬼集落は、日本の棚田百選にもなっていて、裏の棚田に登ると正面にアルプスが望めることでも人気があります。しかし、筆者が訪れたのは朝の6時頃で、アルプスは朝霧の向こうでした。

 さほど広くない村の中なので、ぐるりと散歩をしても1時間とかかりません。水力を利用して精米をする、ししおどしを大きくしたようなガッタリと呼ばれる道具が復元されていたり、

登山家の今井道子さん筆になる「おらが村つくり大賞」の碑があったりします。

集落とちょっと離れた少し小高いところには、石仏群もありました。信州を散歩するとよく見かける道祖神なども混じっています。

また、別の場所ではこれも信州ではおなじみの庚申塔もありました。

 この青鬼集落を訪れたのは、7月の早朝でしたが、その前にも訪れようとしました。時間は同じ早朝の6時前で、時期は3月中旬です。ところが、この頃の白馬は未だ雪の中、駅からタクシーに乗ろうと思って尋ねてみたら、雪かきが終わるまでは通行できない!とのとのことで断念しました。雪の積もった集落の風景も見たかったのですが、残念でした。

 ところで、鬼の形相は地域によって多少の違いはありますが、角と牙それに鋭い爪を持っていてトラの皮のふんどしを穿いているのが共通項のようです。この形相のいわれは諸説ありますが、鬼の進入方向として忌み嫌われた鬼門(北東方向)によっているという説があります。北東方向は、丑寅の方角ですが、この牛の角、虎の牙、爪それにふんどしを組み合わせて鬼のイメージが出来上がったというものです。鬼門は風水とも異なる、日本独自の陰陽道によるものですが、なぜこの方角が悪いのかは経験則によるものでしょうか。過去の、歴史上の出来事をコンピュータに入力して、データマイニングしたら、どちらの方角が良くて、どちらが悪いと出るでしょうか。最近のデータを入力すると、北西方向が鬼門になるのかもしれません。


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