世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

160年も鐘を鳴らしてきたウェストミンスターは、これぞロンドンの風景です(イギリス)

2015-05-17 08:00:00 | 世界遺産
 フランスで一番高いゴシックの塔がそびえるのがアミアンの大聖堂でした。ゴシック建築は北フランスで始まっりましたが、後期のゴシックの発展的な流れはイングランドのゴシック建築であったと言われています。この、イングランドのゴシック建築の中で、ロンドンの象徴のような建築の一つが、ウエストミンスター寺院ではないでしょうか。ウエストミンスター寺院は、お隣にありビッグベンで有名なウエストミンスター宮殿と合わせて世界遺産に登録されて、テムズ川のタワーブリッジと共にぞロンドンの絵葉書的存在です。今回は、もう25年以上も前に撮った写真での紹介になるので、状況は変わってしまっているかもしれません。また、ポジフィルムで撮った写真もかなり退色してお尾見苦しいところはお許しください。

 ウエストミンスターは、ロンドンの中央部、バッキンガム宮殿の東1kmほどのテムズ川の左岸に建っています。宮殿の方が川沿いで、寺院は一本通りの西側になります。テムズ川に架かる橋の名前もウエストミンスター橋で、対岸のウォータールー駅は、ユーロスター開業後のしばらくはロンドン側の始発駅として使われていました。現在は新線がセントパンクラス駅に伸びて、そちらが始発駅になっているようです。25年前は、セントパンクラス駅どころかユーロスター自体が走っていませんでしたが。

 ウェストミンスター寺院は、11世紀に建てられ、現在のゴシック様式の建物は14世紀に一応の完成をみています。歴代の国王の戴冠式や結婚式が行われる教会としても有名でキャサリン妃とウィリアム王子との挙式も執り行われました。また、歴代の王や女王それに有名な政治家などが埋葬されていますが、墓地としては新たに埋葬するスペースは無いのだそうです。また、ダイアナ元妃の挙式の時には、18世紀に建てられたセントポール教会で行われました。セントポールは、ウェストミンスターと比べて、バッキンガムからは、遠くなるものの、広くて多くの人が参列できるとの理由だったようです。

       
 一方の、ウェストミンスター宮殿のほうは、国会議事堂として使われ、ウェストミンスター橋寄りには有名なビッグベンがそびえています。寺院では11世紀の建物が健在ですが、19世紀の大火によって旧来の建物の大部分は消失し、およそ25年後に再建されました。現在の建物は、このときのものを、その後の戦争で傷ついた部分を修復したものですが、再建に当たって古典様式を採るかゴシック様式によるかで議論があり、キリスト教に基づくとの理由でゴシックになったそうです。

 ウェストミンスター宮殿の時計塔のビッグベンは、再建時に建てられ、高さがおよそ100mあり、下部がレンガ造り、上部は鋳鉄で作られています。大時計は直径7mほどあり、毎日正午に鳴らされる鐘のメロディーは、日本の学校でおなじみのメロディーで、正式名称はウェストミンスターの鐘という名称だそうです。また、ビッグベンというのは、時計の名前や塔の名前ではなく、時計台の中でもっとも大きな鐘に付けられた愛称だそうです。また、時計塔の名称は旧来はクロックタワーでしたが、2012年にエリザベスⅡ在位60年を記念してエリザベス・タワーに改称されてそうです。

 筆者の学生の頃に学校で聞くチャイムは、ウェストミンスターの鐘で、音源は金属でできたパイプか何かをゴングで叩いていたようです。かつては、電話の着信ベルも金属のベルをゴングで叩いてリ~ンと鳴らしていましたが、現在はすべて電子音になってしまいました。携帯の着信音が、かつてのベル音を模したもので、エッと思うときもありますが、着信を知らせる音は、ソフトな音やメロディになってしまいました。金属のパイプを叩いた音は、数多くの倍音を含み非常に高い音も出ています。しかし、電子音は人間に聞こえる音の真ん中だけを取り出したものです。20kHzを超える音は、耳には聞こえないといわれていますが、これらの音を含まない音ばかりを聞いていると精神衛生上良くないという話もあるようです。倍音がたくさんのアナログのチャイムを聞いて勉強を始めるのは理にかなっていたのかもしれません。


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