世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

数多くの土蔵が残っていて、かつて通っていた鉄道の駅の跡もある真壁

2008-03-02 21:32:52 | 日本の町並み
 蔵のモデルとなった女性の杜氏が活躍するのは新発田の酒蔵でしたが、東京から近く、川越と同様に数多くの土蔵が残っている町が真壁です。1987年までは、常磐線の土浦と水戸線の岩瀬とを結ぶ筑波鉄道が通っていましたが、現在は当時のホームの跡がバス停のそばに残るのみです。バスは岩瀬や下館や筑波との間で走っていますが、そのバスの本数も少なく、車ではない旅行者にとって足の便が悪いのですが、そのせいもあってか古い町並みに数多くの土蔵造りの家並みが続きます。

 真壁は2005年までは独立した町でしたが、町村合併で桜川市の一部となっています。茨城県の西辺の中央あたりに位置し少し北西に行けば栃木県となります。関が原の戦いまでは、真壁氏の城下町として発展をしたのですが、江戸初期に廃城となり、その真壁城址は、筑波鉄道の真壁駅跡の東側にありますが、堀と土塁の遺構がある程度で、現在も発掘調査が続いているようです。

 その後は城下町としての発展ではなく、商工業の町として発展しました。真壁の名を付けられた石材が、近くの筑波山から加波山につながる山塊から取れ、その集散地としても名を残しています。真壁石は白色系の花崗岩で日本銀行、東京商工会議所等に使われました。筑波鉄道の開通によって、運搬が楽になり、産出量が増えたのだそうです。これらの産業で蓄財を得た商人たちによって建てられた重厚な建物群が、現在の真壁の景観を作ることになったようです。

現在は、104棟の建物が国の登録文化財になっているそうですが、一つの市町村での登録数では最大のものの一つではないでしょうか。

 街中を散歩すると、漆喰で塗り固めた、いわゆる土蔵造りの家のほかに、石材の町らしく、石を積み上げた造りの建物もあります。

郵便局の建物がこの石造りでしたが、この郵便局は滋賀県の醒ヶ井(2006年9月10日紹介)の石造りの旧郵便局に感じが似ているように思いました。

 造り酒屋には真壁石ではなく大谷石の石蔵がありました。

現在はお酒造りには使用されていなくって、イヴェント会場などとして利用されているようです。漆喰造りとはちょっと感じが違い洋風な雰囲気もあるように思いました。ファサードの石の壁を見ていると、日本酒というより洋酒のイメージを浮かべます。ただ入り口に下がっていた暖簾は日本そのもので、暖簾には蔵布都と書かれていました。

この蔵布都では明日までお雛様が飾れれているようです。

 日本は地震国のためもあってか、石造りの建物が少ないように思います。分厚い石の壁の家は、断熱や遮音効果があって、木造家屋に無い利点があるようですが、開口部が小さくって薄暗いイメージがあります。ヨーロッパなど陸続きの隣国などと争ってきた歴史からか、外敵から内側を守るのが家という考え方から、石造りなどで外と内とを隔離する感覚が強いように思います。一方、日本の家屋は、亜熱帯の気候のせいもあって、夏に涼しいように、開口部が広く、開放的で、家の内と外とをあまり区別しない感じがします。この感覚が、日本人の良さでもあり、弱点でもあるのかもしれません。政府機関や企業のサイトの脆弱さが放置されていたり、ウィルス対策やセキュリティパッチの対策に無頓着なユーザが多かったりという現象は、外敵に対する甘さなのかもしれません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。