世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

ユーラシア大陸の西の端のロカ岬は大西洋に面した140mの断崖が続きます(ポルトガル)

2012-03-11 08:00:00 | 世界の町並み
 ユーラシア大陸の南の端の近くで、のんびりした時間が流れる隠れ家的なリゾートがマレーシアのデサルビーチでしたが、ユーラシア大陸の西の端は断崖の連なる岬になっています。今回は、大西洋に突き出し荒涼とした風景のロカ岬を紹介します。

 ロカ岬は、ポルトガルの首都のリスボンから、カスカイスまで郊外電車に乗り、バスに乗り継いで1時間半ほどの場所にあります。カスカイスまでの電車は頻繁に走っていますが、ロカ岬に行くバスは、岬を回って世界遺産のあるシントラまで行きますが90分に1本しかありません。つまるところ、ロカ岬で途中下車をすると、90分間は荒涼とした岬の辺りで過ごさねばならないということになります。

 
 
 岬は西経9度30分で、西側はアメリカ大陸まで続く大西洋に落ち込んでいます。人工のものと言えば灯台とその付属設備、最西端の記念碑それに小さなお土産屋さんだけです。このお土産屋さんでは最西端に来たことの証明書を売っています。40年ほど前には、日本からアメリカに行くJALに乗ると、日付変更線通過証明書なるものをくれましたが、それと同じようなものです。
 7月にしては肌寒い日だったこともあって、このお土産屋でガラオンというポルトガル版のカフェオレを飲んで90分後のバスを待ちました。このガラオンは、神戸で言う「ミーコー」に似て、タンブラー・グラスにミルクたっぷりのコーヒーが注がれて出てきます。

大西洋に落ち込んでいる断崖ですが140mほどの高さがあるそうです。日本と違って、自己責任での行動を前提とする西欧社会ゆえ絶壁の上には柵などはありません。高所恐怖症の人間にはつらいのですが、この絶壁に細い道が付いていて、波打ち際まで降りていけるようで、釣竿を持った人が見えます。竿を持って降りるのはバランスが悪そうで、足を滑らせるとひとたまりもなさそうですが、軽々と降りていくようです。

  
 何も無い荒涼とした景色のように見えましたが、足元の緑を良く見てみると、色々な花が咲いています。これだけ風の強いところでよく咲いているな、と感心します。周りの緑を良く見てみると多肉系の植物のようにも見えます。乾燥した気候で、水分を体の中に閉じ込めておく必要があるからでしょうか。

 15世紀に大西洋を西向かって船出をしたコロンブスもロカ岬の近くを通っていったのでしょうか。GPSやINSのような航法支援システムの無い船旅は冒険以外のなにものでもなかったでしょうが、アメリカ大陸発見という表現には異論があります。アメリカ大陸が無人島ならいざ知らず、ネイティブ・アメリカンからみれば、コロンブス達が勝手にやって来て発見と言うのは、けしからん話です。このことは、世界の全てのことが自分達を中心に回っているという価値観に根ざしているのではないでしょうか。


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