世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

堂内を圧するようなワット・シー・チュムの巨大仏を見るだけでもスコタイを訪問する値打ちがあるように思います(タイ)

2024-07-21 08:00:00 | 世界遺産
 前回はスコタイの歴史公園の中にある寺院群を紹介しましたが、今回は歴史公園を取り巻く城壁の北側の外部あるワット・シー・チュムとワット・プラ・パーイ・ルアンの2か所紹介します。

 
  
 
 






ワット・シー・チュムは城壁の北西角の外部にある寺院跡で、14世紀に作られた寺院遺跡です。寺院名は菩提樹の森の意味を持ち、濠に囲まれた字息を持ちますが、主だった建物は中央の仏堂で、スコタイを代表するような巨大な仏像が収まっています。厚さが3mもあって32m四方、高さ15mもある壁で囲まれ屋根のない無いお堂の中に15m程もある降魔仏の座像が空間を圧するように収まっています。入堂すると、押しつぶされるような威圧感です。寺院の入口から入ると、遠くに湖のお堂が見え、近づくに連れて、動の正面に開いた隙間から仏像の中央あたりが見え隠れするのも、演出されたわけではないのでしょうが、期待を膨らませます。多くの日本人ツアーはワット・マハタートを見て帰ってしまうようですが、スコタイで一か所だけ見るとすれば、むしろワット・シー・チュムかもしれません。

 
 
 
 
 
 
 
 
 もう一つのワット・プラ・パーイ・ルアンはワット・シー・チュムの東1kmほどに広がる東西75m、南北600mもの広大な二重環濠に囲まれた市内最大の遺跡群です。ワット・プラ・パーイ・ルアンはスコタイ以前の12世紀に宗教の中心としてさかえましたが、スコタイ成立後に仏教寺院の中心はワット・マハタートい移り、宗教的役割を失ったそうです。このためか、建物はあまり残されておらず、仏塔や仏堂やかつての塔堂の基壇が広い草原に散在するのみで、廃墟のような滅びの美学といった景色です。ただ、3基あった仏塔のうち保存の良い1基には、見事なレリーフが残されていて、単なる廃墟とは違った見どころがあるようです。

 ワット・シー・チュムの居大仏は現役で信仰を集めている仏像だそうです。我が国の大仏も巨大なものは見えざる力を宿すものとして信仰の対象として尊重されたものですが、そもそも原始仏教では仏像は存在せず、釈迦も仏像には否定的でした。仏陀の死後500~600年後にガンダーラ地方(諸説あり)で作られるようになったもので、ギリシャ文明の影響と言われています。釈迦の思想は、仏像など信仰の対象は持たず、もっと哲学的なもので、現在の宗教とは異なるものでした。信仰というものは、何か目に見える対象が必要なのかもしれませんが、見えないから神秘性があるのかもしれません。電気は目に見えませんが、果たして信仰の対象になるのでしょうか。


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