世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

氷河の雪解け水の青さだけでなく夕焼けの赤も印象的だったカナデイアンロッキー(カナダ)

2007-12-09 10:13:57 | 世界遺産
 ユングフラウ・ヨッホのスフィンクス展望台からはユングフラウなどの山に加えてアレッチ氷河が眺められ、この氷河を含めて世界遺産になっています。地球温暖化であちらこちらで氷河の縮小がニュースになっていますが、氷河が削った岩肌の色の影響で、独特の魅力的な色の湖水がレイク・ルイーズです。今回は、レイク・ルイーズのあるカナデアン・ロッキーを紹介します。

 レイク・ルイーズはヴィクトリア女王の皇女でカナダ総督に嫁いだルイーズ・キャロライン・アルバータの名前を取ったもので、アルバータ州の名称も彼女の名前に拠るものです。バンフ国立公園の中にあり、空港のあるカルガリーから200kmほどの距離にあります。湖のほとりには、カナダ太平洋鉄道が建設したシャトー・レイク・ルイーズが唯一のホテルとして建っています。このホテルに宿泊しないと見られない、レイク・ルイーズの朝や夕景を楽しめるので有名です。ただ、4つ星のホテルは敷居が高く、ツアーに乗らない個人客の場合、ちょっと足の便が悪く、宿泊はできませんでした。個人旅行であった筆者は、バンフを基地にして、半日のバスツアーに参加しました。このツアーは午後の半日で、バンフの周辺を回った後に、レイク・ルイーズを訪問して終了します。なかなか便利なのですが、参加してみて分かった欠点がありました。ホテルの前庭からレイク・ルイーズとその向こうに氷河の見える絵葉書的な風景は西向きなんですね。そうすると、夕方に訪れる時には、完全に逆光になってしまって、写真を撮るのが難しいのです。

 カナデジアン・ロッキーの観光拠点は、南のバンフと北のジャスパーが有名で、夏の間は両地点間を結ぶバスも走っています。途中にコロンビア氷河などの観光もできるようですが、筆者が訪問したときには、10月でこのコースを路線バスでたどるのは無理でした。基地としたバンフ周辺を散策したのですが、町の中を走りまわるシャトルバスがけっこう便利に利用できました。夏山とスキーの間の端境期のためか、観光客は少なかったようですが、日本からの修学旅行生の集団、それも2組もに遭遇したのには驚きでした。バンフの町には、そこで働くか近郊で働く人しか住めない規制があるそうで、そのためか静かでこじんまりして、かわいらしい町です。

町の南にはサルファー山がありロープウェイで簡単に登れます。一方、北にはノーケイ山がそびえ、町のメインストリートの背景になっています。

 夕方に、食事を終えてホテルに戻る途中の、ノーケイ山を前景とする夕焼けは見事でした。

 バンフにもカナダ太平洋鉄道が作ったバンフ・スプリングスという4つ星ホテルがあり、ボウ川を見下ろす森の中に建っています。シャトー・レイク・ルイーズが白を基調とした建物になっているのに対して、こちらはレンガ色の壁面に緑の屋根が乗っています。カナダ太平洋鉄道がケベックに建てたシャトー・フロントナックと同じ色合いです。ホテルの下を流れるボウ川を散策すると、ホテルを望むあたりに滝があります。滝といっても、斜面を流れ落ちるようなもので、通常の滝とは趣が違います。

このなんでもない滝を有名にしたのは、実はマリリン・モンローで「帰らざる川」という映画のロケ地に使われたそうです。

 バンフは国立公園内のため、空港はおろか上空を飛行することも規制されています。130kmほど東にあるカルガリーの空港が入り口となります。このカルガリーにある動物園には変わったエリアがあります。生きている動物ではなく、恐竜の模型があたかも動物園に飼育されているように展示されています。カルガリーの東に位置するバッドランドで7500万年前の恐竜の骨が見つかったことに由来しているようです。人類の起源は150~200万年程度言われていますから、50倍ほども古いことになります。人類が飛行機を手に入れてから100年ちょっと、その飛行機を飛ばす重要な技術の一つで、現代のあらゆる分野の基礎となるIT技術に至っては、もっと短い歴史しかありません。人類の200万年の歴史の中では、ほんの一瞬の出来事なんですね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。