世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

フロム鉄道はオリーブグリーンの車体で周りの緑と一体化して地味ですが、車窓の景色は滝の連続で華やかです(ノルゥエー)

2019-04-07 08:00:00 | 世界の町並み
 マッターホルンの観光基地で自働車の乗り入れが禁止されている町がツェルマットでした。ツエルマットまで走る氷河急行のもう一方の終点はレーテッシュ鉄道のサンモリリッツですが、このレーテッシュ鉄道は、スイスの登山電車では珍しくラックレールがありません。我が国の箱根登山鉄道も80‰という急坂を上りますがラックレールを使わないことから、この二つの鉄道は終い鉄道の関係を結んでいます。勾配を緩やかにするために、ループ線やスイッチバックが各所に設けられています。一方、標高差が900mほどもあるフィヨルドの谷底に岩肌に張り付くように走るフロム鉄道もラックレールは使っていません。今回は、ノルウェーのミュルダルかとフィヨルドの最深部にあるフロムとを結ぶフロム鉄道周辺を紹介します。



 
 
 フロム鉄道は、ノルウェー国鉄のベルゲン線の支線として、建設され1998年に民営化されたものです。線路は現在もノルウェー国鉄が所有するので、ベルゲン鉄道は二種鉄道事業者ということになります。ノルウェーの首都オスロからベルゲン急行でおよそ5時間で乗換駅のミュルダールに着きます。途中列車は北欧の鉄道で最も高い地点の一つ標高1,237mのハルダンゲル高原を通りますが、さほど高くないわりに緯度が高いので夏でも白銀の世界です。ベルゲン急行は、真っ赤な機関車と客車で緑の中を走ると映えます。一方の、フロム鉄道は、日本のトワイライトと似たオリーブグリーンで、客車の内部は木を多用し赤が基調のレトロスタイルです。

 
 
 
 
 フロム鉄道の列車は、急坂の路線のために前後に電気機関車がついてプッシュプル運転をしています。坂道に有利なだけでなく、終点で機関車の付け替えもいりません。全線単線なので、途中で対向列車と交換する場所が設けてられています。車窓からの風景は、断崖の連続で、の断崖に無数の滝があります。途中のショース滝には、観瀑台があって、しばらく列車が止まります。乗客が下りてきたのを見計らって、滝の中間あたりのテラスに滝の精のような格好をした人が現れる演出があります。

 
 
 やがて、視界がひらけて平地が見えてくると終点のフロムです。フロム駅のすぐ隣は、フィヨルド観光の船が接岸している岸壁です。フロムには、鉄道の駅と船着き場以外に、断崖が海に落ちる手前に少しある平地にホテルやレストランがひしめき合っています。フィヨルド観光船に乗ると、もっと狭い平地しかなく、後方の断崖にも道らしきものが無い場所に人家を見があって、寄港もします。おそらく、船が唯一の外部との連絡手段なのではないかと思います。西表島でも、船でしか行けない集落が存在しますが、こちらは陸路がジャングルに阻まれているようです。

 フィヨルドは、ご存知の通り氷河期に氷河が大地を削り取った後に海水が入り込んだものです。ノルウェーの海岸の専売かと思ってたのですが、南米のチリやニュージランドにも多くのフィヨルドがあります。これらは緯度の高いところですが、緯度の低いところにも意外ですがあり、世界遺産にもなっているのがモンテネグロのコトル湾です。北緯42度というと函館くらいですが、南欧と呼ばれるヨーロッパの暖かい地方より南になります。現在の地球は間氷期で、温暖化と言っても、つかの間の暖かさで、また氷河期がやってくるかもしれません。地球規模環境シミュレータというスパコンシステムがあり、地球温暖化や近く変動などのシミュレーションに使われ、ベクトル演算用スパコンとしては世界最高速の計算機の一つです。現在の天気予報は、このシステムの流れをくむスパコンを用いていますが、明日の予報もよく外れるシステムが、温暖化や氷河期の再来などの予測って大丈夫でしょうか。


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