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小野小町の生誕の地と言われる湯沢には数多くの造り酒屋が、良い水は美酒と美人を生むのでしょうか

2018-04-15 08:00:00 | 日本の町並み
 現存の天守閣のうち唯一のヤマジョウの遺構があるのが岡山県の高梁でした。高梁は全国京都会議のメンバで、この会議に加盟する市町は京都を除き45あります。加盟の基準は、京都に似た景観、京都との歴史的つながり、伝統産業、芸能のあることの3条件です。加盟の市町は西日本に偏重気味で、北海道はゼロ、東北地方は5か所です。今回はその5か所の中から、秋田県の湯沢を紹介します・

 
 
 湯沢市は、秋田県の南東端に近くにあり、湯沢駅は奥羽本線の新庄と大曲の中間あたりですから、山形新幹線、秋田新幹線のどちらからも見放された駅ということになります。湯沢は、16世紀の末に、湯沢駅の東1kmほどの古館山にあった湯沢城の城下町でしたが、江戸初期に一国一城令で取り壊され、城下に館が築かれ佐竹南家と資料として明示を迎えています。かつての城跡の古館山の麓に武家屋敷町が残されているようですが、さほど規模は大きくないようです。一方、雄物川と奥羽本線との南東側には造り酒屋の多い町並みが残っていて、こちらがなかなか見ごたえがあります。古館山の麓には力水と呼ばれる佐竹南家の御用水が湧き、駅の東には「犬っこ清水」と呼ばれる湧水があります。この恵まれた水が酒造りを発展させたのでしょう。マンホールのふたにも、湯沢市小野が小野小町の出生の地という伝説にちなんだ小町像に並んで犬っこがデザインされています。

 
 
 
 
 造り酒屋の中で、もっとも目立つ存在が両関酒造で、羽州街道が雄物川を渡るあたりを東に200mほど行ったところにあります。通りに妻面を見せるたてものは実に堂々としており、入り口には道祖神でしょうか三角推の意思が置かれていました。内部も見学ができ、酒蔵や醸造樽、陶器の貯蔵容器に加えて自衛用でしょうか消防ポンプも置かれていました。

 
 両関酒造を南に行くと秋田銘醸の工場がありますが、「美酒爛漫」を作っているお酒屋さんと言った方が分かりやすいかもしれません。さらに、駅と古館山の間の南には木村酒造がありますが、こちらも「福小町」の銘柄の方が有名かもしれません。

 
 
 両関酒造の建物は、堂々たる木造の日本家屋ですが、駅の東に下見板張りの木造洋館が残されています。雄勝郡会議事堂記念館で、明治中期にドイツ人の設計で議事堂として建てられ、その後は公民館や公会堂などに使われ現在はイベントや貸会議室として使われています。訪問した時には8月の行われる七夕絵どうろう祭りの灯篭が展示されていました。弘前のネブタの山車を小さくしたようにも思えますが、ネブタの武者絵にたいして、こちらは優雅な和服美人が描かれています。

 絵どうろう祭りの起源は、京から佐竹南家にお輿入れのお姫様に京の郷愁を竹に短冊を飾り付け他のが始まりだそうです。現在のような美人画が描かれるようになったのは、小野小町の生誕の地との伝説からでしょうか。この美人や美男子の基準というのは、時代と共に随分と変化をしてきたように思います。絶対的な基準を決めるのは土台無理で、民族によっても随分と違うものです。AIが進んで、コンピュータが、コンテストの審査を行うようになると、普遍的になるのでしょうか。


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