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世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

青色の巨大な丸い建物がライトアップされるとさらに存在感があります、天壇(中国)

2007-10-28 10:25:17 | 世界遺産
 イスタンブールのモスクの丸い屋根は町中にあって、存在感を示していました。丸い建物というのは、神につながるのでしょうか、皇帝が天に祈った場所といわれる北京の天壇も丸い建物です。その祈念殿は3層からなり中国最大の祭壇といわれています。今回は北京市内にある3つの世界遺産、故宮、頤和園と並ぶ天壇を紹介します。

 天壇は故宮の正面の天安門広場から南にバスで15分くらいの広大な天壇公園の中にあります。周辺の公園は市民の憩いの場所のようですが、観光客からは目的とする天壇までけっこう歩かされたような記憶があります。ちなみに、北京市内の移動には、車掌まで乗っている路線も多いようで人件費がかかっていると思うのですがバスが安かったです。ただ、けっこう路線が入り組んでいるので、ガイドブックなどで路線を認識していないと利用するのは難しいかもしれません。地下鉄はバスの1.5倍位だったように思いますが、こちらも改札には人がいて切符をもいでくれました。

 天壇の話に戻りましょう。天壇の中には丸い建物が、先ほど紹介した3層の巨大な祈念殿と小ぶりで1層の皇穹宇があります。祈念殿は名前のごとく皇帝が豊作などを天に祈った場所です。屋根瓦も壁の色もコバルトブルーで、全体が七宝細工のような感じがします。

それでいてずいぶんと大きな建物で、これまた3層の石の基壇の上に乗っかっているので、かなり自己主張をしています。明の時代には屋根瓦が、上部から順に青、黄、緑に葺かれていたそうです。これで赤があればまるで信号機ですが。

 この祈念殿、日没後にライトアップされます。通年かどうかは分かりませんが、訪問したときには昼間よりさらに存在感のある丸い建物が、真っ暗な夜空に浮かんでいました。

 一方の皇穹宇は歴代の皇帝の位牌を祭る場所で、祈念殿が再建の建物に対して、こちらは15世紀の創建当時の建物が保存されています。

この建物を丸い壁が取り巻いていますが、この壁のそばで面白い現象が見られ、いや、聞かれます。60m先でささやかれた声が耳元で聞こえるというものです。音の回廊現象ですが、筆者は閉門時間が迫っていて、ちゃんとは確認はできませんでした、残念。この回廊現象は、大きな凹面に沿って音が伝播してゆく現象で、ロンドンのセントポール寺院などでも見られる、いや、聞かれる現象です。これと似た現象に、話し手と聞き手が、対向する放物面鏡の焦点に位置すると遠くまで音が伝わるという現象があります。遠景の壁にも焦点が存在するので、この現象を使っても、遠くの人とささやき会えるかもしれません。ただ、焦点は壁面から少し離れた位置なので立つ位置が違ってくるでしょうが。

 祈念殿の青を見ていると、フェルメールの描いた青色を思い出します。フェルメールは、青色の絵の具として当時高価であった「ラピスラズリ」という鉱石を原料とした絵の具を好んで使ったことで有名です。この鉱石は金よりも貴重であったとの記録があるようです。日本では、陶器の赤の発色を極めるために、柿右衛門が苦労した話は有名です。思った色合いを表現するために、多大な苦労と、お金が必要だったのですね。現在では、ディタル化された画像情報を、どこにいてもディスプレイや印字機構を使って、自由にいろいろな色を表現できるようになりました。ただ、色合いの保存性の高いインクは現在でもなかなか難しい部分があるそうですが。


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