世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

シントラのついでの寄り道程度のロカ岬ですが、海に沈む夕日を見たくなる雄大な大西洋が広がっています(ポルトガル)

2021-08-22 08:00:00 | 世界の町並み
 ラベンダー、菜の花そしてポピーと咲き乱れる花々が見事な場所を紹介してきました。これらの場所では一つの種類の花が目立っていましたが、ユーラシア大陸の最西端のロカ岬にはいろいろな野の花が可憐に咲いていました。今回は、大西洋に向かって断崖の上に灯台がポツンと建つロカ岬周辺を紹介します。

 ロカ岬は、ポルトガルの西の端、世界遺産のシントラからも近い最果て感のある場所です。ただ、ポルトガルは大西洋の島々にも領土があるので、ロカ岬はポルトガルの最西端ではありません。リスボンから海沿いに西に走るリスボン近郊鉄道の終点のカスカイスと、リスボンのロシオ駅から西北西に延びるシントラ線の終点のシントラ駅を結ぶバスがロカ岬を経由します。無理をすれば、リスボンから、シントラを含めて日帰り圏になります。ただ筆者が訪れた時には、バスの本数が1時間半に1本だったせいか、ロカ岬で降りたのは我々だけでした。

 
 
 
 
 大西洋に突き出す岬は140mの断崖で、西には大西洋の水平線がず~~っと続いて見えるだけです。かなりの高さの断崖であるにもかかわらず日本とは違って転落防止の柵などは見当たりません、自己責任なのでしょう。岬の上には、記念碑、灯台それに最西端の証明書も売っているお土産屋くらいしかなく、次のバスまで、ちょっと時間を持て余します。ポツンと建つ灯台は18世紀に建てられ、現在も現役で、緑の中に赤い屋根が印象的です。記念碑は頂上に十字架が付けられて、記念碑のそばには石碑があって「ここに地果て、海始まる」の言葉が刻まれています。この石碑の文章にしても、発見のモニュメントにしても、ヨーロッパ人の身勝手さが現れていて腹が立ちます。世界はヨーロッパが中心で他は野蛮な未開地だと勝手に決めつけた尊大さが嫌いで、さらにアメリカに至っては存在すら認識できていなかった馬鹿さ加減です。

 
 
 こんな漠々とした断崖の上は、風が強いせいか背の低い緑が広がっていて、その中にいろいろな花が咲いています、花の種類は詳しくないのですが、北海道で見かけるハマナシ(ハマナス)も咲いていたように思います。大が胃の上から、大西洋の波打ち際までは140mの標高差があって、細くて危なげな道が見えるだけですが、よく見ると人影が見え、さらによく見ると、釣り道具を持ってるようです。良い漁場なのでしょうか、ただ大量になったら140mの坂を戻って来るのは重くて大変なのでは?と余計な心配をします。

 町歩きや旅行中に見知らぬ花を花を見かけることも多いのですが、なかなか名前が分からないこともしばしばです。現在では、スマホのアプリで、撮影した花の名前が検索でき、検索エンジンで分からないときには、コミュニティのメンバが教えてくれるアプリもあるようです。文字の認識のように、ターゲット候補がきっちりした形の場合はともかく、撮影者によって切り取り方も様々な花の写真から名前を検索するエンジンは作るのは大変なのではないかと想像します。エンジンがお手上げになった時は、メンバが教えてくれる仕組みは、最終的には人間の目なんだな・・と思わせます。