世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

電球の点った登米の小学校の旧校舎は暖かい気分にさせてくれました

2005-11-27 15:18:11 | 日本の町並み
 小浜(こはま)は時間から取り残されたかのような町でしたが、北上川の水運を利用した流通拠点として栄え、やはり時間が止まったような町の一つが宮城県の登米(とよま)です。
 登米は江戸時代には城下町として、明治以降は水運による流通拠点として栄えましたが、交通手段の変化によって古い町並みの残る静かな町となったようです。東北本線の瀬峰という駅から2時間に1本程度のバスで約1時間と、現在の足の便はけしてよくありませんが、それまでしても訪れたくなる町の一つのように思います。かつては、バスの走っている路線を私鉄が走っており、登米のバスターミナルはかつての駅舎を転用したもののようで、前の道は駅前通りという名称となっています。
 さほど広くない町のなかには、古い建物を転用したいくつかの博物館があり、それぞれに趣があります。これらの建物が散在する町全体がかもし出す雰囲気も、昔見た懐かしい風景を思い出させます。
 博物館の中で、教育資料館は、明治時代に建てられた小学校の建物を利用したもので、重要文化財にも指定されています。JR東日本のディスカバージャパンのポスターにも使われた木造2階建ての校舎は、中央に玄関を置き、教室の前には開放廊下のあるなかなかしゃれた建物です。昭和52年まで現役の校舎として使われていたそうで、資料館前のお土産屋さんは、この校舎で勉強されたとのことです。
 登米を訪ねる前に見たガイドブックには、この資料館の夜景の写真が載っていて、その明かりの感じが素敵で、ライトアップはいつあるのか、土地の人に尋ねてみました。その答えは、年1回のお祭りの日とのことで、半ばあきらめていたのですが、バスを待つ間に入ったお土産屋さんから、外を振り返ると、そこには写真でみた光景がありました。教室や廊下にある電球に灯が点っていたのです。時期を教えてもらったライトアップというのは、建物全体に照明を当てるものではなかったのかと思います。
 電球の明かりというのは、蛍光灯に比べてエネルギー効率はよくありませんが、暖かくってホッとする気分にさせられます。電球色の蛍光灯が出現したのも、このあたりの効果を意識したものと思います。かつての携帯電話は、何処に居ても情報を伝えることができるという実用面が重視され普及してきました。メールやテレビ電話の普及は、この実用面に加えて、遊びの要素や、音声だけでは伝えるのが難しいホッとする気分のようなものを伝えことができるのではないかと思います。