世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

宝塚の近くの宿場町の小浜(こはま)には首だけのお地蔵様が

2005-11-20 15:54:31 | 日本の町並み
 福井県の小浜(おばま)は海の京都として有名ですが、大阪に近い宝塚市にも小浜という地名があります。こちらの読みはオバマではなくコハマと読みますが、毫摂寺(ごうしょうじ)というお寺を中心に15世紀ころから発展した寺内町です。江戸時代には有馬街道の交通の要所に位置することから宿場町として栄えたようで、現在でも阪急宝塚線、JR福知山線それに中国道が付近を通っています。さらに空を見上げると伊丹空港を離陸したジャンボ機が轟音と共に上昇してゆくのが見えます。
 ただ、現在の交通機関は町の中を貫いているわけではなく少し離れた場所にあり、有名な観光施設も少ないせいか、時間から取り残されたような、ゆったりとした時が過ぎてゆく町並みになっています。昔の風情を残した町並みの大部分は阪神淡路大震災の被害にあって新しい町並みに変わってしまい、現在の町並みは、ちょっとそっけないところがあります。それでも、町のそこここにかつての宿場町を思わせる空気を残しているように思います。古い道しるべがあったり、道端にかわいらしいお地蔵さんが奉られていたり、散髪屋さんのねじりん棒の看板に山車(だし)風の囲いが付いていたりします。
 変わったところでは首地蔵という首だけの地蔵菩薩が露座で奉られていて、1mを超える大ぶりな新旧の2体が並んでいる姿にはギョッとさせられます。首から上の病にご利益があり、最近は頭がよくなるとのことで受験生にも人気があるとのことです。首だけの仏像といえば、興福寺国宝館の旧山田寺の仏頭や修復前の臼杵(うすき)石仏を思い出しますが、これらは元々はあった胴体から頭部が脱落したものです。通常大きな仏像の頭部は高いところに位置する関係から遠くから眺めることになります。ところが、首だけの仏像では間近で、お顔の細部まで拝観できるという利点があります。
 細部といえば、最近の携帯電話のカメラの画素数も100万画素を超え、被写体の細かな状況も写し撮れるようになりました。電話機のディスプレイでは細かな部分までは表示しきれませんが、パソコンなどで見ると普及版のデジカメと比べ遜色の無い画像を見ることができるようです。常に持ち歩く携帯電話で高品質の写真を撮れるということは町並み散歩を更に楽しくさせるものではないでしょうか。