因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

シベリア少女鉄道『スラムダンク』

2005-10-20 | 舞台

*土屋亮一作・演出 シアターサンモール
 シベ少初体験。友人の話を聞いたり、ネットの書き込みや雑誌の記事を読んで、この劇団の芝居の様子を想像してみるがどうしてもイメージが浮かばず、やはり百聞は一見にしかずなのであった。
客席が舞台を両サイドから挟む形が作られており、複数のストーリーがどんどん進行する。
俳優も一人が何役も演じる。 矛盾が生じないよううまく運んでいるが、大詰めには無理が出てきて、それを見せ場にして強引に筋を運んでいく。が、終盤は舞台がバスケットコートになり、俳優はゲームを進めながら、それぞれの役の台詞を話し、ボールが(無対象だが)あたかも台詞、話の筋のように俳優たちの手から手へ渡っていく。
 こういう話の運び方、見せ方もあるのだなと思ったが、バスケのシーンが予想よりも長く、申し訳ないが(と恐縮してしまう。この場面を稽古する俳優は大変な労苦だったろうと察するためだが)飽きてしまった。拡散しつつ収束するとみせかけてまた拡散する、という手法なのだろうか?
 台詞の言い方の、ほんとうに微妙な言い回しにおもしろいところがあったり、俳優の複数役も相当に巧みだったが、見応えは実感できず、物足りなさが残った。

 訴えたい、伝えたいという重いものがなくてもいいが、やはり何かを確かに受け取りたいと願うのが時間とお金を投じて劇場に足を運ぶ観客の気持ちだと思う。
 その何かを自分はシベ少のどこに求めるか?
 今後の課題である(10月18日観劇)。



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