テレビや新聞のマスコミはネットに敗れたのである。声なき声のネット言論にたたきのめされたのである。産経新聞・FNN世論調査では、安全保障関連法案を「必要」と答えた人が一ヶ月前と比べて約16ポイントも増加した。「戦争法案」とか「徴兵制に結びつく」とかのレッテル貼りに国民が心動かされなくなってきたのだ。東シナ海や南シナ海での中共の軍事的な脅威は、より身近な問題となってきており、それにどう向き合えばよいかを真剣に考えるようになったのだろう。違憲だとする憲法学者の発言を金科玉条にして安倍政権を攻撃してきたマスコミも、現実の安全保障環境の悪化を並べ立てられれば、ぐうの音も出ないのである。第四の権力と呼ばれるマスコミは、これまでは国民に圧倒的な影響力をもっていた。しかし、もはやそのような時代ではなくなった。中村菊男は『政治学の基礎』で「民主政治は原理的には、国民に事実を報道して、その自由な討議にまかすならば、それでうまく運営せられるという考え方に基礎をおいている」と書いている。そのためには「公平な報道が提供される」ことが前提なのである。権力批判がマスコミの仕事だとしても、事実を伝える努力を怠ってはならないのである。特定政党のプロパガンダをたれ流しするようでは問題外である。ネットの方がはるかにまともである。すぐにリアクションがあり、自浄能力もそれなりにある。民主主義を正しく機能させるためには、自由な言論活動がなければならず、これからはマスコミではなくネットが中心になって世論を形成していく時代なのである。
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