草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

負け組の怨嗟の声が向けられるのはリベラル派に対してだ!

2011年10月07日 | 思想家

 今アメリカで起きている占拠デモを甘く見ない方がいい。高失業率や経済格差についての怒りの声について、リベラル派が指導しているかのような報道がある。しかし、実際にそうだろうか。リベラル派というのは、どこの国でも、余裕のある勝ち組が中心だ。所得が低い層や、その日暮らしの者からは、怨嗟の対象になる人々である。日本でも、怒れる若者がエキサイトするのは、高給をとっている役人や、マスコミ関係者に対してである。NHK職員が恵まれ過ぎであることが暴露されたりすれば、ネット上で袋叩きになる。冷静な議論を呼びかけたりすれば、かえって火に油を注ぐことになる。オバマ大統領を誕生させたのは、アメリカのサヨクであり、リベラル派ではなかったか。そのオバマが攻撃されているのである。広松渉に「全体主義イデオロギーの陥穽」という論文がある。そこで広松は、クローチェ、ハイデッカーがファシズムに加担したことに言及し、「インテリ層がたとえ思想的に錯乱し自己欺瞞に陥ったのであるとしても、そこにはしかるべき自己了解の内在的論理が介在していた筈であって」と書いた。失う何物も持たない者たちが歴史の舞台に登場するにあたって、イデオロギーもあらかじめ準備されているのだ。そして、彼らが敵として位置づけるのは、ぬくぬくと勝ち組の生活を享受しているリベラル派なのである。

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第二の西郷隆盛になろうとしなかった小沢一郎の終焉

2011年10月07日 | 政局

 小沢一郎が昨日の夜、日本医科大学に緊急入院をしたという。無罪になると高を括っていたのに、有罪になる可能性が強まってきたので、いくらタフを装うっても、心身がボロボロなのだろう。さらに、自分の側近だと思っていた者たちが、次々と離反していくのにも、まいってしまったのでなかろうか。そうでなくても、心臓に持病を抱えているだけに、政界での小沢の影響力低下は避けられそうもない。鳩山由紀夫と菅直人が司直の手によって裁かれなかったのは、総理大臣であったからであり、だからこそ助かったのである。それと比べると、小沢の場合は貧乏くじを引いたのと同じである。政治家同士の騙し合いは、それほど不思議なことではなく、日常茶飯事である。いちいち目くじらを立ててもしようがないが、小沢は鳩山と菅を信用し過ぎたのではなかろうか。鳩山は平成の脱税王と呼ばれながらも、親から相続した金でリーダーとしての地位は保っていられる。菅は菅で、お遍路姿でマスコミに登場して、福島第一原発での不手際など、どこ吹く風である。かつて江藤淳が助言していたように、西郷隆盛のごとく、小沢は水沢に帰り、郷党の政治家として割拠し、そこから権力中枢に攻め上るべきであった。それを実行に移していれば、状況は変わっていただろう。後悔先に立たずで、小沢の時代はもう終わったのである。

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