民主党政権がダメだから、自民党に頑張ってもらうしかないのだが、それにしては、野党としての責めが甘くはないか。一人気を吐いているのは、参議院の森まさこ議員くらいである。原発事故でも犯罪的なことをしでかしたのに、それを追及しなくて、どうして野党といえるだろう。自民党は先見与党としての時代が長かったために、正論を振りかざしことに慣れていないのではないか。京極純一が『日本の政治』のなかで、正論派について書いているが、自民党はそれを頭に叩きこむべきだろう。というのは、やるべきことを怠っているからだ。京極は「正論派は、自己説明と勢力拡大のための手段として、勢力結集の目的を宣言し、第三者に説明する文書を作成、公表、配布する」と述べるとともに、「決起大会、街頭行進、記者会見などによって正論派の運動事態がマス・メディアの取材対象」ということを、わざわざ言及している。そして、少数派である場合には「怒りの糾弾」に傾きやすいが、正論派が優勢なときには、「愛の説得」と「友情の説得」を試みるのである。自民党は国会では多数派ではない。国民に向かって、民主党政権の誤りを追及するのが仕事である。そこでエキサイトしても、ある程度は許されるのである。政治的な争いは言葉と心理の戦いであり、それに全力投球をしなければ、いつになっても、政権の奪還は難しい。
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