今日の衆議院予算委員会で、民族派でもないのに、公明党が辛亥革命に加わっ大陸浪人を褒め称えていたのには、ただただ嗤ってしまった。月刊誌の「潮」で連載を組んだり、評論家の松本健一あたりが大アジア主義を評価しているので、中共とべったりの創価学会を喜ばせるためのリップサービスなのだろう。今さら大アジア主義を口にするのは、それこそ方便でしかない。葦津珍彦も述べているように「彼らの国(中共)が国内政権安定のために、意図的に日本を悪玉に仕立てて国内の不安をそらし、また日本の政府も、自国の歴史を無視し、安易に目先の小さな利害のために先人たちの心を平然と踏みにじるような状況にあっては、相互理解にはまだ時間がかかるといわざるを得まい」(『大アジア主義と頭山満』)という現実があるからだ。玄洋社の頭山満らが中国に注目したのは、清朝を打倒することで、中国の民衆が解放されることを願ったからであった。今大陸浪人がいたならば、チベットの独立運動に参加し、中共を打倒する革命に身を捧げただろう。「狭い日本には住み飽いた」(馬賊の歌)というのは、義侠心に駆られてものだったのであり、その純粋さを忘れるべきではないだろう。
国民新党の下地幹郎幹事長までが倒閣を言い出し始めた。菅直人首相にブラフかけたとだけとはいえ、与党幹部の口から、そんな言葉が飛び出すようでは、菅政権はおしまいである。郵政改革法案の今国会成立を目指したいのだろうが、それ以上に国民新党としては、政界再編の主導権を握りたいのだろう。マニフェストの修正や小沢一郎をめぐって党内が大混乱している民主党とは、一緒に心中したくはないのだろう。経済政策で。菅首相が財務省の役人の言いなりになって、財政再建に舵を切ったことにも、腹を立てているに違いない。いかに少数党ではあっても、予算関連法案を成立させるためには、今袂を分ったのでは、民主党にとっては、大変なダメージである。一方では社民党との協議によって、衆議院での三分の一確保に全力をあげているのに、片方で連立解消の動きが顕在化しつつあるというのだから、皮肉なものだ。鳩山由紀夫前首相から菅首相にバトンタッチしても、民主党は政権の建て直しができなかったのだから、さっさと下野するしかないのである。国民からすれば、強制起訴された小沢一郎も、内閣不信任案を突きつけられつつある菅首相も、往生際が悪いのではどっこいどっこいだ。