今日の党首討論は、谷垣禎一自民党総裁に軍配が上がったが、もっと長い時間をかけるべきだろう。あまりにも時間がなさ過ぎた。腹が立ったのは、NHKが番宣をしなかったことだ。事前のニュースでも取り上げなかった。政治の現状理解してもらう絶好の機会であるにもかかわらず、国民に告知をしないのは、ある種の犯罪である。民主党政権をかばうあまり、視聴率が取れない時間帯に流すというのも、苦肉の策なのだろう。本来であれば、ゴールデンタイムをつぶせばいいのである。民主党政権のいい加減さが暴露されるのを、恐れているからだ。マスコミは、菅直人首相が互角に渡り合ったかのような報道をしている。私はたまたまラジオを聴いていたが、いくら民主党が野次で圧倒しようとしても、意気が上がらないのが、手に取るようにわかった。そして、菅首相の議論のすり替えに、国民の多くが頭にきたと思う。それを批判できないマスコミに、もはや存在意義などあるわけがない。菅首相は、一方的に攻めまくられていて、弁解に終始していた。嗤ってしまったのは、大声を張り上げる、サヨク特有の居直りが目立ったことだ。市民運動家から一歩も出ない菅首相を、国民が支持するはずがない。政権与党でありながら、責任感がないのには、ほとほと呆れてしまう。
嘘つきとか、詐欺師とか言われるのは、政治家として失格である。今の民主党政権を見ていると、国民への背信行為ばかりで、腹ただしくてならない。孔子に「民は信なくんば立たず」という名言がある。子貢が政治について尋ねたのに対して、孔子が答えた言葉である。その前段で孔子は「食を足し兵を足し、民をしてこれを信ぜしむ」と述べている。政治が安定するには、食べ物があって、軍備が十分であることの大切さを説いたのだった。しかし、そのなかから、あえて一つ省くとすればという質問には、軍備を捨てることを、もう一つ省く場合には、食を捨てることを進言した。そのあとに孔子は「古より皆死あり、民は信なくんば立たず」と述べたのである。軍備と食がなくては生きてはいけないが、どうせ人は死ぬのだから、と言い切るのである。「民は信なくんば立たず」だけが残るのは、徂徠流に解釈するならば、政治家が民から信頼を得なければ、何事もできないからだ。民主党はマニフェストだけでなく、小沢一郎の国会招致についても、嘘に嘘を重ねてきた。どうせ過去の人となるから、批判するにも値しないが、小沢を党員資格の停止でお茶を濁そうとしているのも、約束違反である。民主党政権が国民を欺いておいて、支持してくれというのは、あまりにもいけずうずうしい。