ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

尋常小学国語讀本よりー第二十二課 夕日

2024年08月24日 05時37分47秒 | Weblog
 

 今日は、地元の方からいただいた『尋常小學國語読本』(昭和11年)から、第二十二課「夕日」を紹介します。この「夕日」を読んでいると、このブログで度々紹介している加東市の夕日スポットから、西の地平線に沈む夕日を観た時の光景と感じが重なり、紹介したくなったものです。本文は次の通りです。写真は、昨年9月9日投稿の写真です。

第二十二 夕日
赤い大きな夕日が、今、西の遠い遠い地平線におちて行くところだ。
焼けきつた鐵のやうに真赤である。たらひ程に見える大きな円の中には、何か、どろどろととけた物が動いて居るやうに見える。
地上の緑のあざやかさ、美しさ。遠い木立や、家や、煙突や、みんなくつきりと夕空に浮出して居る。
日はぐんぐんと落ちて行く。一糎(※センチ)、二糎ときざむやうに、動くのがはつきりわかる。もう円の下の端は地平線にかかつた。
沈む。沈む。
円は次第に半円となつた。やがて櫛程になつた。あ、とうとうかくれてしまつた。
だが、日が落ちた後の空は、何といふ美しさであらう。今沈んだあたりからさしでた幾百筋の細かい金の矢が、夕空を染めて、空は赤から金に、金からうす青にぼかし上げたやう。
ここかしこ、真綿を引きのばしたやうな雲が、金色に、紅に、色づき始める。
美しい空でアル。はなやまな空である。

 以上です。写真と比べてみて下さい。本文は、このような夕景そのものような感じです。加東市は内陸ですが土地が平らで、西には加古川右岸に青野原台地が広がっており、地平線となっています。夕日が美しいまち加東でもあります。


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