昭和１０年－社町予算内容の通知

　ここに昭和１０年（１９３５）１月に社町長から区長宛てに出された予算の内容に関する通知があります。小学校の改築工事のために緊縮予算にしたこと、裁判所判事官舎や奉安殿の新築などの予算が組まれていたことがわかります。


昭和十年一月十七日

　　　　　　　　　　社　町　長

区　長　殿

昭和十年度社町歳入歳出予算町会ヲ一月十五日開会原案通決定相成候条内容御通知申上候

　昭和十年度歳入歳出予算ハ明年ヨリ小学校改築工事ニ着手スルタメ総テニ亘ツテ緊縮主義ヲ採リ積立金ヲ四千五百参拾参円、基本財産造成費ヲ七百弐拾六円、基本財産積戻金ヲ壱千五百参拾弐円合計六千七百九拾壱円ヲ後年ニ残シ前年度ニ比シ繰越金過年度収入ノ見積リニ於テ壱千弐百〇弐円ノ過少ノ計上ヲナシ以テ町財政ノ堅実ヲ加フルコトニ努メタリ尚小学校ノ改築ハ之レヲ四期ニ区分シ要スレバ起債ヲ為サズ徐々ニ其目的ヲ達シ町民ノ負担過重ヲ極力避クルコトトセリ
十年度一般附加税並ニ戸数割課税ハ九年度同様トナシタリ（本郡ノ最低）
九年度ニ於テ裁判所判事感謝新築（三四八〇円）
平安橋（五五〇〇円）町道改修ニ（五〇〇円）
奉安殿（二五〇〇円）郡団体事務所其他ノ新改築等行ハレルタメ町財政ノ内容ニ御心配ヲカケタルモ事実ニ於テ前年ニ比シ繰越金ノ増加ヲ来ス予定ニテ返ツテ強固ニナリツツアリ（町会ニ於テモ右ノ報告ヲ致シマシタ）

右ノ次第ニテ御陰ヲ以テ次第ニ安因ヲ加ヘ居候条此段御安堵相成度尚一層ノ御援助ノ程願上候