マリーゴールド・ホテルで会いましょう (The Best Exotic Marigold Hotel、2011英・米・UAE、124分)
監督:ジョン・マッデン、脚本:オル・パーカー
ジュディ・デンチ、ビル・ナイ、トム・ウィルキンソン、マギー・スミス、デーヴ・パテール、テナ・デサエ
老後を過ごすのに最適のリゾートとの宣伝を見て、イギリスの男女7人がインドのマリーゴールド・ホテルにやってくる。ところがきいていたのとは様子が違い、つぶれそうなホテルを若い息子が口八丁でそういうイメージを作り上げ、一旗あげようというものであることがわかる。
落胆する彼ら、しかし時が経つにつれ、このインドの風土が彼らを少しずつ馴らしていき、彼らも仕事を探したり、昔ここであった縁を訪ねたりと、どたばたしながら過ごし始め、その一方でホテル側の青年も、恋人との仲で苦労しながら、いいかげんさをイギリス人や観客に見せながら、やっていくのだが。
ついにホテルはつぶれ、閉鎖?というところで、さて、、
老人たちはここで何かを見つけていく。劇的ではないにしても、そのひとつひとつのエピソードは観るものの胸に自然に入ってくる。
「何事も最後は大団円」という決まり文句が何度かでてくるように、ドラマの作りとしては、何人かの話をかわるがわる織り交ぜながらゆっくりと大団円を予感させながら進んでいく。途中でさてこれはどこかで見た気分、と思ったら、そうあの壮大な大団円映画「ラブ・アクチュアリー」(2003) である。製作陣はちがうのだが。
7人のイギリス人はみな達者な人たち。その中で今回は、子供のころにここで育ち、苦い記憶を持っているゲイを演じるトム・ウィルキンソンがなかなかいい。「理想の女(ひと)」(2003)を思い出した。
そしてビル・ナイはまさに前記「ラブ・アクチュアリー」での怪演ほどではないけれど、何かこういうイギリス人いるんだろうなと思わせる。あともうけ役はマギー・スミスだろうか。
青年役のデーヴ・パテールは「スラムドッグ$ミリオネア」(2008)で主役だったようだ(これは見ていない)。
インドの情景、多くの人々はなかなか面白い。インドを見る眼は考えようによっては問題あるが、こういうことのバランス感覚はイギリス人の身についているのだろう。