メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

ナタリー・シュトゥッツマンの指揮

2014-03-17 09:35:08 | 音楽一般

昨晩、NHK Eテレのクラシック音楽館は水戸室内管弦楽団第89回定期演奏会(2014年1月17日)で、前半はナタリー・シュトゥッツマンの指揮だった(後半は小澤征爾)。

最近は女性指揮者もかなり出てきたけれど、このひとが振るようになっていたのは知らなかった。歌手としてはシューマンの録音など聴いたことがあるし、相当の名声と地位を持っているひとである。

 

結果は大当たりで、メンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」、交響曲第4番「イタリア」の2曲とも、その湧き上がるような感じが素晴らしかった。

 

映像を見ていても、その長身の体の動きからして、音楽をゆったりと発信している一方で楽員たちの音が気持ちよく吸収されている、そのような指揮である。こういうことは天性みたいなところもあって、たとえばカルロス・クライバー、というとこの段階で持ち上げすぎかもしれないが。

 

選曲もよかったと思う。こういう小規模なオーケストラで彼女のような指揮でやると弾みと表情がよく出てくる。

 

ところで番組の談話では、「フィンガルの洞窟」は少し前に運転中のラジオで初めて聴いて好きになり、それが東日本大震災の少しあとだったこともあり、今回選んだという。1965年生まれの彼女が最近初めて聴いたというのは意外で面白い。

 

一流の歌手で指揮というと、かのフィッシャー・ディスカウが晩年によくやっていたことを思い出す。そしてドミンゴはキャリアとしてはもう少し早くから始めたと思う。シュトゥッツマンは40歳過ぎから始めたようだ。声楽は器楽にくらべ年齢的に厳しいところがあるが、指導者としてばかりでなく音楽的な活動を続けていきたいという人がもっといても不思議はない。

 

 

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