メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

2009-03-13 18:37:52 | 映画
「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」 ( Sweeney Todd The Demon Barber Of Fleet Street 、2007米、117分)
監督:ティム・バートン、原作:スティーヴン・ソンドハイム、ヒュー・ウィーラー、脚本:ジョン・ローガン、プロダクション・デザイン:ダンテ・フェレッティ、作詞作曲:スティーヴン・ソンドハイム
ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アラン・リックマン、ジェイミー・キャンベル・バウアー、ジェイン・ワイズナー、エド・サンダース、サシャ・バロン・コーエン、ローラ・ミシェル・ケリー
 
ホラー映画というほどでないにしても、この手のものは苦手だからもう一回見たいとは思わないが、一回見ておいてよかったし、全体の出来はよい。
 
もとは舞台だし、ミュージカル仕立てだから、ホラー目的ではない。ただ舞台なら、その約束事として観るものを納得させるところを、映画はリアルに描写しなくてはならないから、どうしても目を覆うというところはある。TV画面でなくて、映画館の大スクリーンだったらどうだったか。
 
全体に、暗いグレーなトーンで、この陰鬱な話をどう持っていくのか、それはティム・バートンのお手並み拝見というところだ。
 
妻に横恋慕した判事のために島流しにされ、脱獄して帰ってきた理髪師トッド(ジョニー・デップ)、幼かった娘は判事(アラン・リックマン)の管理下にあり、船で一緒に帰ってきた若者がその娘に夢中になる。前に営業していたところの大家(ヘレナ・ボナム=カーター)はいんちきミートパイ屋をやっていて、トッドは彼女を利用して再び理髪師となり、その評判の腕で復讐にかかる。
前半は、「復讐の楽しさは計画にある」と歌詞にあるとおり。
 
そして後半、ドラマは二転三転と、意外な展開をしていく。いくつか、さあティム・バートン、ここからそうする? というところがあって、その期待にじゅうぶん応える。特に最後。
 
主要人物は少なく、ポイントは理髪師、大家、判事で、3人とも存在感たっぷりだが、力みはない。
特にジョニー・デップとヘレナ・ボナム=カーターはバートン・ファミリーともいうべき人たちだから、安心してみていられる。それがいいかどうかは別として。 
 
ダンテ・フェレッティがオスカー(美術賞)を取ったそうだが、どのあたりが評価されたのだろうか。もしかして、あのしかけだったりして、、、

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