物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

ムラサキヤシオツツジ

2017-06-20 18:00:00 | ツツジ科
ムラサキヤシオツツジ(紫八汐躑躅)
<学名:Rhododendron albrechtii Maxim.>
ツツジ科 ツツジ属 落葉低木











撮影日 2017.6.17: 長野県(志賀高原)

北海道、本州の東北地方および中部地方の日本海側
山地から亜高山の林縁や疎林内などに分布し、
低山にも生育することがある。



高さは1-2mになり、若い枝には淡褐色の長毛と長い腺毛が
やや密に生え、のちに落ち無毛となる。
葉は互生し、枝先に輪生状に集まってつき、葉柄は長さ1~3mm、
淡褐色の長毛が密生する。葉身は長さ4~11cm、幅3-6cmになり、
倒卵形または楕円形で、先はとがり先端に腺状突起があり、
基部はくさび形で葉柄に流れる。葉の表面には微毛が生え、
裏面の葉脈の下部に開出する白毛がやや密生する。
花期は5~6月。葉の展開と同時か先に開花し、枝先の1個の
花芽に1-4個の花を車輪状につける。



花柄は長さ5-15mmになり、長毛と腺毛が密生する。
花冠は鮮紅紫色で、径4cmの広漏斗形で
5深裂し、花冠の上側内面に濃色の斑点がある。



雄蘂は10本で上部の5本は短く、花糸に白色の短毛が生え、
下部の5本は長く花冠の外側に伸び、無毛。
花柱は無毛で子房には腺毛が密生する。



果実は果で長さ8~10mmの長卵形になる。
名は、花色を、紫色の染料に数回浸つけてよく染め上げた
ものに例えたものだとか。
奥深い山に生えるので別名ミヤマツツジ(深山躑躅)
ともいう。



[ おまけ ]

同じツツジ科のレンゲツツジも咲きだしていました。







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ハルナユキザサ

2017-06-20 07:00:00 | ユリ科
ハルナユキザサ(榛名雪笹)
<学名:Maianthemum robustum (Makino et Honda) LaFrankie>
ユリ科 ユキザサ属 多年












撮影日 2017.06.17: 群馬県(榛名山)

分類体系によってはスズラン科とされたりAPG植物分類体系では、
ユリ科からキジカクシ科に分類される。
また、ユキザサ属は、マイヅルソウ属に含められた。



地下にある根茎が特徴的で、2-3個に分枝しながら長く横たわり、
直径は20-25mmになり数珠状の結節をつくる。
同属のユキザサに似るが、非常に大型で、茎の高さは80-150cmになる。
葉は茎の上部に互生し、葉身は長さ15-20cm、幅6-9cmになる長楕円形
または披針状長楕円形で、葉の裏面は多少粉白色を帯び、
軟毛が密生する。



花期は6-7月。茎先に長さ約15cmになる大型の円錐花序をつけ、
白い小さい両性花を多数つける。花序に毛が密生する。
花の径は約7mm、花被片は6個、狭長楕円形またはへら状長楕円形で、
ユキザサと比べ幅は広い。雄蕊は6個。雌蕊の花柱は短く、柱頭は丸いか、
わずかに3浅裂する。



果実は球形の液果で、ユキザサと比べ大型で、赤く熟す
日本固有種で、群馬県の榛名山、栃木県日光の男体山のほか、本
州中部地方に分布し、落葉広葉樹林の林床に生育する。

和名の由来は、初め群馬県の榛名山で発見されたことからきている。


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ミズバショウ

2017-06-19 07:00:00 | サトイモ科
ミズバショウ(水芭蕉)
<学名:Lysichiton camtschatcense (L.) Schott
サトイモ科 ミズバショウ属 多年草











撮影日 2017.06.17: 長野県(志賀高原)

北海道と中部地方以北の本州の日本海側に分布する。
南限の兵庫県養父市の加保坂峠にも隔離分布している。
山地帯から亜高山帯の湿原や林下の湿地に自生する。
各地に多数の群落が知られ、特に尾瀬は「夏の思い出」
の歌でも有名です。



♪♪♪ 「夏の思い出」(作詞:江間章子、作曲:中田喜直) ♪♪♪

夏がくれば 思い出す
はるかな尾瀬 遠い空
霧のなかに うかびくる
やさしい影 野の小径
水芭蕉の花が 咲いている
夢見て咲いている水のほとり
石楠花色に たそがれる
はるかな尾瀬 遠い空

夏がくれば 思い出す
はるかな尾瀬 野の旅よ
花のなかに そよそよと
ゆれゆれる 浮き島よ
水芭蕉の花が 匂っている
夢みて匂っている水のほとり
まなこつぶれば なつかしい
はるかな尾瀬 遠い空

実際に尾瀬沼でミズバショウが咲くのは5月末ごろで
これは尾瀬の季節でいうと春先になる。
江間はミズバショウが夏の季語として歳時記に掲載されている
ことから夏と表現したんだそうです。



花期は低地では4月~5月、高地では融雪後の5月~7月。
葉は花の後に根出状に出て立ち上がり、長さ80 cm、
幅30 cmに達する。



発芽直後の葉の間から純白の仏炎苞を開く。
これが花びらに見えるが仏炎苞は葉の変形したもので
仏炎苞の中央にある円柱状の部分が小さな花が多数集まった
花序(肉穂花序)である。



1つのの花序(肉穂花序)には数十から数百の小花があり、
すべてが両性花である。開いた時点で、多くの小花は雌蕊が
露出していて、開花の後数日すると、花序の表面を押し上げる
ようにして雄蕊が出現し、多くの花粉を放出する「雌性先熟」。



種子が完熟した果穂は、ぼろぼろと崩れ、果肉をつけたままで
種子が散布される。果肉は軽くスポンジ状で水に流される(水散布)。
種子自体も軽くて水に浮く。
実生は条件の良い場所に定着すると3年程度で開花する
成長した個体の塊茎から、細長く短い地下茎が生じ、栄養繁殖する。
栄養繁殖による子は親個体のすぐそばに見られるため、数個体が
まとまって株立ちする。



和名の「バショウ」は、芭蕉布の材料に利用されている
イトバショウの葉に似ていることに由来する。

         地方名
ベコノシタ(北海道・葉が牛の舌に似る)
ヘビノマクラ(北海道・花序を蛇の枕に見立てる)
パラキナ(北海道・アイヌ語で幅の広い葉)
ウシノクチヤ(石川県白山・ザゼンソウも同じ異名で呼ぶこともある)



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モミジイチゴ

2017-06-18 12:30:29 | バラ科

モミジイチゴ(紅葉苺)
<学名:Rubus palmatus Thunb. 
             var. coptophyllus (A.Gray) Kuntze ex Koidz.
バラ科 キイチゴ属 落葉低木









ナガバモミジイチゴ (中部地方以西に分布)の変種で
東日本の型である。

静岡県の遠州地域を境に東側にモミジイチゴ
西側にナガバモミジイチゴが分布するといわれている。


撮影日 2017.04.19: 群馬県

葉は互生し、葉身は卵形で3~5裂する。
モミジの葉に似るので、モミジイチゴの名がある
茎や葉には刺がまばらに生える。葉柄、葉脈にも棘がある。
茎の刺はほぼ開出して曲がらず、葉柄や枝の刺は曲がる。
葉柄は長い。葉身は長さ7~15㎝の卵形~広卵形、掌状に5裂し、
基部は深い心形。中央の裂片はあまり長くならない。
ただし、葉の形や鋸歯には変異が多く、切れ込みが
少ない場合もある。



4月ごろ、冬芽からのびた短い枝に、白い花を1個、付ける。
花は単生し、直径約3 ㎝の白色5弁花葉の下に、下向きにつく



果実は5~6月頃、黄色に熟し食べると美味しい。
(キイチゴの仲間では、味がよい。果実酒やジャムなどにする。)

黄色い実をつけるため黄苺の別名がある。


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ヒメイチゲ

2017-06-12 06:00:00 | キンポウゲ科
ヒメイチゲ(姫一華)
<学名:Anemone debilis Fisch. ex Turcz.>
キンポウゲ科 イチリンソウ属 多年草












近畿地方以北、北海道の亜高山帯針葉樹林や高山帯の
ハイマツ林の林縁、時に尾根上の湿った草地などに
分布する多年草。


撮影日 2017.05.21: 長野県

草丈は5~15cmほど。イチリンソウの中でも小さくて
可愛い姿をしている。根茎は横に這い、紡錘状にふくらみ、
所によりくびれる。
根出葉は1回3出複葉、茎につく葉は3枚が輪生する。



茎の葉は3小葉で細長いが根生葉は幅広い
葉は短い柄をもち、3全裂し、縁には鋸歯がある。

横顔

右側にコチャルメルソウが並んでいます。

花期は5-6月、花茎の高さは5-15cmになり、
直径1cmの白色花弁状の萼片を持つ花を1個つける。



萼片は長楕円形、白色で5枚。花びらのように見える。
花弁はない。葯も白色。





果実は痩果で細い毛がある




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