タニウツギ(谷空木)
<学名:Weigela hortensis (Siebold et Zucc.) K.Koch>
スイカズラ科 タニウツギ属 落葉小高木
長野県の北部へスミレ観察に行ったときに沢山咲いていました。
最近の分類体系APGⅢではスイカズラ科からタニウツギ科として 分けられ変更されました。
撮影日 2019.06.16: 長野県
北海道の西部~本州の東北地方、北陸地方、山陰地方に分布し、 日本海型気候の山地の谷沿いや斜面に多く見られる落葉小高木。
下部からよく分枝して株立ちになり、樹高2~5m、樹皮は 灰褐色で縦に裂け、はがれ落ちる。
新しい枝は茶褐色ときに紫褐色で、ほぼ無毛。 葉は対生、長さ4~10cm、 幅2~6cmの卵状楕円形。先端は鋭く とがり、
基部は円形~広いくさび形。縁には細かい鋸歯がある。 裏面は全面に白い毛がある。(とくに脈の両側に密生し、 脈上には少ない。)
葉柄は長さ3~10mm、有毛で赤みを帯びる。
花期は5~6月。今年枝の先端か葉腋の散房花序に多数の 花ををつける。花冠は桃紅色または紅色の漏斗状で、 長さ2.5~3.5cm、径2cm、
先端は放射相称に5裂する。
花冠の内側より外側が色が濃く、開花しているものより 蕾のほうが濃い。雄蕊は5本あり、花柱はそれより長い。
蒴果は長さ1.2~1.8cm、径2.5-3mmの細い筒状、種子は 長さ1mmの楕円形。
花色が美しいため、鑑賞目的で庭園などに植栽されることも 多い。梅雨の時期、山道の新緑の中でひときわ映えて咲く
ピンクの花は良く目立つ。「田植え花」などの目安にされる 異名がある。
若芽を食料にしたり、材木を葬儀の際に骨を拾う箸に 利用したことや、花が燃えるように美しく、花の時季には 辺り一面が
山火事になったように見えることから カジバナ(火事花)、
シビトバナ(死人花)、ソウシキバナ (葬式花)などの異名もあり、忌み嫌う地方もある。