物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

クロクモソウ

2016-08-20 22:16:41 | ユキノシタ科
クロクモソウ(黒雲草)
<学名:Micranthes fusca (Maxim.) S.Akiyama et H.Ohba
            var. kikubuki (Ohwi) S.Akiyama et H.Ohba>

ユキノシタ科チシマイワブキ属の多年草
(以前はユキノシタ属とされていたが、分子系統解析の結果から
チシマイワブキ属に分割された。)








日本固有種。本州中部地方以北と近畿地方の大峰山系、九州、
四国の剣山・瓶ヶ森・石鎚山などの山地帯~高山帯に分布する。
渓流沿いや雪田など、湿った場所を好む。


撮影日 2016.08.18: 長野県

根茎は太く、根出葉を束生させる。根出葉は長さ2~15cmの葉柄があり、
葉身は径2~8cmの円腎形で、基部は心形、縁には粗い卵形で先がやや
とがった鋸歯がある。葉の表面に短い縮毛がまばらに生え、裏面に
毛はない。
花期は7~8月。花茎は高さ10~30cm、茎葉はなく、緑色で細毛があり、
上部に大型でまばらな円錐花序をつける。
花は紫褐色まれに淡緑色、ユキノシタの仲間では珍しく暗紫色の花を
咲かせる、シブい植物です。



花柄は長さ2-5mmで細毛がはえる。
萼裂片は5個あり、長さ1~1.5mmの卵状3角形で、花時には
大きく反りかえる。



花弁は5個、白色の縮毛があり、先が鈍頭、2浅裂する。
雄しべ10個は花盤の縁に水平に開いてつく。葯は黄色~橙色







キクブキイワブキという別名もある。
和名のクロクモソウは、「黒雲草」の意で、花の色から
つけられたようです。