goo blog サービス終了のお知らせ 

物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

トリカブトの勉強  その2

2022-09-15 07:00:00 | キンポウゲ科

・・・ トリカブトの見分け方 ・・・


先ず花柄の毛の状態を確認します。それだけで名前が特定できるわけではありませんが
手がかりの第一歩です。
雨や露で濡れていると困難なこともあります。肉眼ではよく分かりませんので
ルーペとかを利用します。
写真で拡大するとわかりやすいです。まずは大きく3つに分けられます。
{ 無毛 ・ 屈毛 ・ 開出毛 } の3種類です。

 

まずは、花柄無毛のものを1つ紹介します。
上越国境の山々に分布するハクバブシです。



ハクバブシ(白馬附子)
<学名:Aconitum zigzag H.Lev. et Vaniot subsp. kishidae (Nakai) Kadota>
キンポウゲ科 トリカブト属 多年草



撮影日 2022.9.10: 群馬県

タカネトリカブトの亜種で花柄に毛のないトリカブト。
白馬岳や谷川連峰、上越国境の山々、苗場山などの山地~亜高山帯の草原などに
生えるトリカブトで、基準標本が採集されたのは白馬岳だそうですが、近年
白馬岳では本種は見つかっていないそうです。

高さ1m前後




中部の葉は幅10~14cm、3中裂~3深裂し側裂片は2中裂する。



葉を調べるときは元の方と中部、先端で形状が異なるので注意が必要です。

 



葉の毛の状態




花は散房状に付き、3.5~4cmとやや小型

花柄は無毛

上萼片(かぶと)は僧帽状。







雄蕊と雌蕊(心皮)には、毛が密生または散生する。

ちょっと濡れていたので分かり難いかもしれませんが、雄蕊に毛が生えています。


若い果実

毛が生えていますね。雌蕊に毛が生えていた名残りです。


トリカブトの勉強  その1

2022-09-12 05:00:00 | キンポウゲ科

秋の代表的な花の一つ、トリカブト はたくさんの似た種類がありなかなか難しいものです。
「分かりません。」ですましていましたが多少でもわかるように勉強たいと思います。


まずは、図鑑やHPでチェックしてみました。
色々な方がネット上にトリカブトをアップしていますが沢山の種類を撮っているぞ、とか、
こんな珍しい種類を載せています。とかの自慢ばかりのところもありますが、
私が参考にしている所を紹介します。トリカブトの分類の方法を詳しく参考となるところです。

◎野山の花たち -東北と関東甲信越の花-
http://hanatachi.sakura.ne.jp/pl1a/kinpouge/kinpouge_ap3.html#torikabuto
◎植物検索システム・撮れたてドットコム
http://www.plantsindex.com/plantsindex/demo_html/column/aconitum.htm

 

分類するためには花の構造などを知っていないといけません。
というわけで   今回は トリカブト の花のつくりに付いて勉強してみました。
知識は図鑑などの本などで得られますが1番は実物をしっかり観察することだと思います。

ということで分解してみました。

紫色の花弁のように見えるものは実は花びらではありません。
がくなのです。

上の帽子のようなのが頂がく片 横の2枚が側がく片 下に出ている2枚が下がく片 といいます。
頂がく片はヘルメットとも呼ばれます。

変わった形の花弁は距がくるっと丸まった形でかぶとの中に入っています。

距の中に蜜が入っているので蜜弁とも呼ばれるんだそうです。
かぶとや花弁の形も分類のポイントになるそうです。

花柄の毛の状態も良く観察しておかないといけないようです。

今回花を分解してみて気づいたことがあります。
雄しべ

曲がって収まっているようですが、花粉を出す頃には伸びて真っ直ぐになり
役目を終わるとまたくるっと後に丸まるみたいです。面白いものですね。

雄しべを除くと中の雌しべが見えてきます。

 






 


一 . 二 . 3

2022-05-14 18:00:00 | キンポウゲ科

イチリンソウ(一輪草)
<学名:Anemone nikoensis Maxim. >
キンポウゲ科 イチリンソウ属 多年草

 

本州(宮城県以南)~九州の山麓の草地や落葉広葉樹林の林床や 林縁などにに分布しています。 

撮影日 2022.5.4: 長野県


一秋の地元では見られない花です。
スミレを見に行く長野県の山で傍らに咲いているので毎年撮っています。

今年はやや早く咲いたようで痛んだ花が多かったです。

高さは20~30cm、茎葉は3個輪生し、3出複葉で、長い柄があり 
小葉は羽状に深く裂けています。
花期は4~5月、直径3~4cmの花弁状の萼片を持つ花を1個、 花茎の先端につける。

花弁はなく、白い花弁のように見えるものは萼片なんです。
白色の萼片はふつう5~6枚で裏面は紅色を帯びる。

萼片の数には変異があるようで、 枚数がいろいろなものがあります。
数の多いものは八重咲と呼ばれることもあります。
今年はこんな花を見かけました。


残念ながらチョットピンボケでした。

花の中央の雄しべが弁化しています。

萼片の多くなったものは良く見かけるのですがこのタイプは初めてでした。

このようなタイプで
ヨーロッパ原産のヤブイチゲの雄しべが弁化したものが
「八重咲きイチリンソウ」の名で呼ばれることがあり、
イチリンソウの八重とネット上で混乱がある。

イチリンソウは通常花茎の先に花を一輪しか付けないことから、一輪草と呼ばれます。
ごくまれに2輪付ける場合もあるようですが、割と安定していて一輪のものが多いです。

同じ仲間にニリンソウサンリンソウがあります。
花が2輪付くからニリンソウ、3輪付くからサンリンソウと呼ばれるのですが、


ニリンソウは変異が多く1輪から3輪以上のものまで見かけることがあります。

イチリンソウの横で3輪付けたニリンソウを見かけました。

 

 


【 サンリンソウの変異としては1輪や2輪のものが多く3輪付けているものは
あまり見ないです。名前に偽り有って感じです。・・・私がそんなものしか
見ていないだけかも 】

 

 

 


セツブンソウ ★ Remember ★

2022-03-12 21:00:04 | キンポウゲ科

だいぶ暖かくなってきましたね。
皆さんいろいろと春を探して記事にされていますが、
私の方はなかなか…  そろそろ冬眠から目覚めないといけませんね。
未だあまり出かけていないので、とりあえず過去のデータから
Rememberということでいくつか記事を作ってみます。

 

セツブンソウ(節分草)
<学名:Eranthis pinnatifida Maxim.>
キンポウゲ科 セツブンソウ属 多年草

 

 

スプリングエフェメラル(春の妖精)と呼ばれ人気のある植物です。

関東地方以西に分布し、石灰岩地帯を好み落葉樹林内の斜面などに
群生していることが多い多年草。


高さ10cm、地下に球形の球根(塊茎)があり、茎頂に1個、
直径2cmの白い花を咲かせる。

 

 

高さ10cm、落葉樹林内などにまとまって自生する多年草。


埼玉県秩父には何か所か自生地が知られています。

中でも堂上の自生地は観光バスで大勢の方々が訪れるなど
沢山の花と沢山の人でごった返すほどです。

花期は2~3月、1本の花茎を出し細かく切れ込んだ総苞片
(花序全体を包む葉の変形したもの)を開き、
その先に可憐な白い花を1輪咲かせます。

総苞葉は花茎の先端につき、無柄でふぞろいに深裂し、裂片は線形。


花は茎頂に1個つき径約2cm、花柄は長さ1cm前後、
花びらに見える部分は萼で通常5枚あります。

 

 

本来の花びらは退化して、
先端が2又に分かれた黄色い蜜腺(甘い蜜を出す器官)になっており、
雄しべを囲むようにつきます。

黄色い花弁が小さくなり蜜線に変化したものが、
蕊と共に中央に固まっている。
雄しべの先端に付いている花粉が入った葯は鮮やかな紫色。
面白い造りの花です。

地下に球形の塊茎があり、花後、根生葉を出します。
根生葉は5角形で3全裂し、幅3~5cm、側小片は
さらに2深裂して、各小片は羽状に細裂する。

可憐な花は人気が高く、現在は、乱獲や自生地の
環境破壊によって希少植物になっている。
環境省レッドリストでは 準 絶 滅 危 惧 (NT)に指定されている。
          準絶滅危惧(現時点の絶滅危険度は小さいが、生育条件の
          変化によっては絶滅危惧に移行する可能性のある種)


名前は、早春に芽を出し、節分の頃に花を咲かせることから
つきました。が、秩父での盛りの時期は2月末~3月頭ぐらいです。

雪の中で咲くセツブンソウを見ることもあります。


 

通常1つの花茎に1つ花をつけますが、2つ花をつけたもの、

愕の丸いの

尖っているもの

数の変異や 色白のものなど



いろいろと変異も見られることがあります。

 

 

 

 


地下に球形の球根(塊茎)があります。

(これは栽培品を購入した鉢植えのセツブンソウを撮りました。
野生のものを掘ってきてはいません。
また埋め戻しました。)

 

花後の様子

若い果実

 

 

いろいろと個性、変異があって面白い植物ですね。


キバナノヤマオダマキ

2021-07-01 21:31:57 | キンポウゲ科

キバナノヤマオダマキ(黄花山苧環)
<学名:Aquilegia buergeriana Siebold et Zucc.
                           f. flavescens Makino>

 

 


撮影日 2021.06.20: 群馬県


ヤマオダマキの萼片は紫褐色ですが、萼片まで黄色のものを
別品種として分類しています。

ヤマオダマキの花が黄色くなったものです。

こちらではたくさん見られます。