木に取り付けられた大辻
ユーカリが丘の旧地名は井野、上座、小竹、青菅などの村落です。その井野に辻ぎりという行事が伝承されています。毎年1月25日に藁で作った大きな蛇を村境の木の上に取り付けてにらみを利かせ、災厄や疫病などが外部から侵入するのをさえぎることを目的とした民族行事です。
公民館に集まった地元のお年寄りがいくつもの蛇を作ります。大きなもの(大辻)は木の上に、小さなもの(小辻)は家の門近くに取り付けます。大辻は全長2間半あり村境6ヶ所に飾りますが、近隣の青菅や八千代市の上高野などでも見ることがあります。
胴体は藁ですが頭には串に刺した塞神のお札をつけ、目玉は米・麦・粟・稗・豆の五穀を煎り、これを和紙に包んで墨で黒目をいれたものだそうです。また大きく裂けた口からは唐辛子の真っ赤な舌が覗いています。
2月4日にこの小辻を小竹小学校の5年生が小辻を作ります。米作りで得た藁を使い、厄除けのお札、魔よけの杉、ヒイラギの葉、そして唐辛子などは小竹の農家の方が揃えてくれます。目はティッシュを丸めて作ります。
先生は公民館で教えている10人の方々です。これに地域からスクールガードの我々が協力します。こつさえ覚えれば易しいので2時間で2匹作る子もいますが、未完成のまま終わる子もいます。時間切れでできなかった子には先生が作った蛇をプレゼントします。
昔からの行事を子どもたちに伝承していきたいものです。