安倍元首相のロシアより発言と「疑惑の銃弾」
2022年2月24日にロシア軍がウクライナに侵攻して以来、この国ではほぼ「一億総ロシア糾弾・ロシア制裁」一色になった。その中で、異色の発言を行っていたのが安倍晋三であり、各マスコミからはほとんど黙殺された。バイデンの逆鱗に触れたのだろう。
以下、安倍元首相の発言
○2022年2月27日、フジテレビ系「日曜報道THE PRIME」での発言。
「プーチンの意図はNATO(北大西洋条約機構)の拡大、それがウクライナに拡大するということは絶対に許さない。東部二州の論理でいえば、かつてボスニア・ヘルツェゴビナやコソボが分離・独立した際には西側が擁護したではないか、その西側の論理をプーチンが使おうとしているのではないかと思う。」
(コメンテーター:まさに、平和維持部隊を送り込もうとしているのはコソボ紛争と似ているところがあると思うのですが。プーチンがNATOの東方拡大について不満を漏らしたことがあったのですか)
「米ロ関係を語る時に(プーチンは)基本的に米国に不信感をもっているんですね。NATOを拡大しないことになっているのに、どんどん拡大しているんです。プーチンとしては領土的野心ということではなくて、ロシアのいるのだろうと防衛・安全の確保という観点から行動を起こしているのだろうと思います。もちろん私は正当化しているわけではありませんし、しかし彼がどう思っているかを正確に把握する必要があるんだろうと思います。」
○202年.5月、英紙エコノミストのインタビューでの発言。
「侵略前、彼らがウクライナを包囲していたとき、戦争を回避することは可能だったかもしれません。ゼレンスキーが、彼の国がNATOに加盟しないことを約束し、東部の二州に高度な自治権を与えることができた。おそらく、アメリカの指導者ならできたはずです。しかしもちろんゼレンスキーは断る」
○2022年6月、日本の週刊エコノミスト誌が「勇ましさに潜む『自立』と『反米』」で安倍発言を論評
「(前出のフジでの安倍氏の発言は)主要7カ国(G7)を中進とする西側民主主義陣営が結束してロシアに経済制裁を科し、ウクライナへの軍事支援を強化するなかで、それに同調する岸田文雄首相に背後から弓を引くに等しい、極めてロシアよりの発言だ。」
知米派の政府関係者は「自分の(ロシアに対する)失態を棚に上げて米国を批判する安倍氏の脳内が理解できない」と憤る。
『紙の爆弾』2022年8月号 孫崎亨「安倍晋三銃撃事件から一年 岸田政権の対米従属と“疑惑の銃弾”の真相」(P4~P9)を参考にした。
そして、2022年7月8日、「疑惑の銃弾」によって安倍氏は暗殺された。ウクライナ侵攻、トランプ訴追、アベ暗殺という現象からどのような権力闘争の構図が見えてくるのだろうか。バイデン政権VSトランプ・プーチン・アベ3人組の闘いであり、バイデンは3人を嫌ったのだ。
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