これまで自ら民主主義を毀損してきたのに、政治家が狙われると「民主主義の破壊を許さない」などのコメントをヌケヌケと発する。よく言うぜ!そのコメントが政治不信を増幅する。でも、なんか山上氏に似ているって。
2023.4.3札幌市長選挙感想 五輪招致に変化 暗黙の了解
僕の推測では、今回の札幌市長選挙を終えて一番ホッとしているのが現職の秋元氏ではないかと思う。
なぜなら、誰が見ても無理筋の五輪招致にブレーキを踏むことができるようになったからだ。マスコミ報道を見ても、この市長選挙が終った途端に2030年招致をめぐる論調が一変した。また秋元氏の発言のトーンも変わった。僕には、五輪反対を掲げた2人の候補の得票が予想より多かったので秋元氏が渋々考えを変更したようには見えない。選挙結果はおおよそ想定の範囲だったはずだ。
秋元氏は、東京五輪にまつわる汚職事件などから本心では五輪開催に疑念を持っていたのではないか。だが経済界からの支援を受けるなど立場上推進を掲げなくてはならなかったと思う。対立候補の高野氏は同じく南区長を務めるなどした市役所後輩だ。一定の信頼があるはずだ。素性のわからない候補が出てきてかき回されるより高野氏の方がいい。そこで反対世論の受け皿として高野氏に立候補を秘密裏に要請した。いや、はっきりとした要請ではなくても、両者の間には暗黙の了解があったのではないか。
僕から見て、高野氏が本気で当選しようとしているように見えなかった理由は、財政畑出身と言いながら、地下鉄の手稲、清田延伸や公共事業の拡大など大風呂敷を広げた公約だ。あえて秋元氏が財源問題で批判できるようにスキを作ったのではないか。また、あえて秋元氏を利すために五輪反対で一致していた共産党候補と共闘することを拒んだ。選挙運動を終えた後の高野氏の「負けます」「明日から市民に戻ります」「一石を投じることができた」などのコメントとすがすがしい表情から自分の役目はここまでとの印象が残った。
今回の選挙で、僕らは秋元氏と高野氏の阿吽の呼吸による出来レースを見せられたのではないかと思う。ここまでの推測は、今後の高野氏の処遇、氏がどのような身の振り方をするのかを注視すればわかると思う。