馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

消化管破裂の確定診断には腹腔穿刺

2017-09-22 | 急性腹症

朝、外傷で腸管破裂したらしい、との1歳馬が来院。

右腹部にひどい外傷があり、腹腔内が見え、腸内容が漏れている。

そして、全身状態も悪い。

これでは助ける方法はない。

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午前中、1歳馬の脛骨外果骨折の摘出手術。

てこずる。

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午後、2歳競走馬の去勢。

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死体肢で研修の先生たちが関節穿刺の練習。

他所のNOSAIの先生が3名、大学の先生が1名、学生が2名、千”客”万来状態なのだ。

わたしもしげしげと馬の解剖を勉強しなおしたり、人が関節穿刺をするのを観ることはなかなかない。

教えることで、一番学ぶのは、教えている者だ。

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そこへ朝から具合が悪かった当歳馬の来院。

心拍140、チアノーゼと脱水、白血球5000/μl。

超音波で腹水増量確認。

あとは消化管破裂による腹膜炎を確定診断するためには腹水の採取と検査だ。

これも研修の先生にやってもらう。

これは腹水をEDTA管に受けているところ。

針を刺すときは、もっと顔は逃げておいたほうがいい。

腹水の白血球増加、複数腫の細菌、白血球の細菌貪食像、腹水の蛋白増加を確認して、予後不良の最終判断をした。

剖検では、空腸の穿孔が見つかった。

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来週は長野へ出張だ。

散歩できないのは1日だな。

イイ子で留守番してるんだゾ