チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

心を込めたつもりですが-「イカナゴのくぎ煮」

2015-03-13 09:55:32 | 明石風物
3月13日(金)

  今朝の海峡風景
 

 小さい写真でわかりにくいでしょうか、この時期特有の光景です。春告魚「イカナゴ」漁の小型の漁船がいっぱいで、貨物船やフェリーの船長も大変そうです。

 東北を襲った忌まわしい大震災から4年、あの日は寒い一日で、ニュースに耳を傾けながらイカナゴのくぎ煮を炊いていたのを思い出します。

 あれ以来、3月11日は毎年寒い日が続いているような気がします。それはともかく、その日のことを忘れないようにと、3月11日はくぎ煮を炊く日と決めたのですが、翌年は休漁の日曜日で一日遅れ。昨年もカープのオープン戦を見に出かけたりして、なかなかうまくいきません。

 今年も10日11日と甲子園でオープン戦があり、10日は野球、11日はくぎ煮という予定を立てていたところ、今年最後とかいう大寒波が襲来、10日の甲子園での野球観戦はさっさとあきらめて、11日の準備に取りかかりました。

 そして11日。くぎ煮炊きに寒さは関係ありません。まずはイカナゴの新子の調達に魚の棚へ出向きましたが、海は大荒れ、魚屋には「本日、時化のため休漁」の掲示がぶら下がっていました。

 翌12日はシルバー天文大学の最終日で躊躇したのですが、逗子に帰る日も迫っているので、アイスボックスを用意、天文科学館へ行く前に新子を購入しておいて、お昼過ぎから、たぶんこれが最後になるだろう「イカナゴのくぎ煮」を炊きました。

 普通は1キロで炊くのですが、鍋が小さいので
  いつも500グラムずつ
  


   海峡へ届ける気合くぎ煮の香   弁人


 実は、今年二回目なのです。例年解禁日は3月初めだったのですが、今年は2月26日と早く、様子を見に魚の棚へ行って見ると、もうけっこうな大きさになっていたのです。
 ちょうど、KAZU君の生活発表会を見に来ていた熊本のおばあちゃんが28日に帰るというので、それじゃあと、その前日の27日に炊いてみたのですが、もう何回も作っているのに、やはり一年ぶりとなると満足した出来にはなりませんでした。

 来年の春は明石にいないとしたら、なんとしてももう一回、有終の美をと思って、寒波がやって来る前の先週末の朝、まずは漁の状況を観察に行きました。

 明石の港です。
  江戸時代の灯台が残っています
  

 独特の漁法の
  二艘引き
  

 カモメが群がっています。
  きっと網を引き始めたのでしょう
  


   朝日中カモメも小躍り春の魚   弁人


 漁船が一艘
  港に帰って来ました
  

 漁港には
  猫が似合います
  

 8時半、魚の棚近くの
  水揚げ場でのセリです
  

 魚の棚へ行くと、その前の便でしょうか、キロ1300円です
  
  

 とにかく、その年その日の水揚げの状態で値が上下しますが、まあ、これほど値が大きく変動するものがあるとは。首都圏の街中で一消費者として育ってきた私には目を見張るものがあります。

 例年、解禁日がいちばん高くて、イカナゴが大きくなるとともに日ごとに下がって行くので、3月10日ごろの値段が目安になりそうですが、私が明石に来て初めての春は大不漁、なんとキロ2500円くらいでした。うって変わって、その翌年は1000円ほどで、その後3年間は600円から800円くらい、昨年も初めはそのくらいでしたが、3月半ばには500円を割っていました。
 今年は、解禁前に水産技術センターから「かなりの不漁」という発表があったので、2月中に解禁したのは意外でしたが、不漁なのは確かなようで、だいたい1500円くらいで推移しています。
 ともかく、2000円以上の時もあれば500円以下の時もあるという、産直というか港町ならではの生活体験かもしれません。

 いっぽう、こちらの値段は世間一般、どこの店も低価格ショップに負けじと踏ん張っているようで、魚の棚商店街の魚屋の近くの店にも、

  100円タッパが並び
  

 スーパー同様、くぎ煮炊きの
  必需品が並んでいます
  

 明石に来て七回目の「イカナゴ」の季節。メモを見ると昨日が12回目の「くぎ煮」作りでしたが、とうとう、「これだぁ」というオリジナルには至らずに終わりました。



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