3月14日(土)
「いかなごのくぎ煮」はご存知ですか。明石海峡の名産品です。
「いかなご」には、くぎ煮にする「新子」(3~6センチの小魚)と成長した「古背」(10㎝位でドジョウを大きくした感じ)があります。
「古背(フルセ)」は一度鍋にしてみましたが、ちょっとグロテスクで今ひとつでした。「新子(シンコ)」のくぎ煮は日もちもするし真空パックもあるので、遠くへ発送したりお土産にしたりということでよく知られています。
北海道のニシンとか、各地に「春告魚」が存在するようですが、こちらでは「新子」の漁が春先に解禁となるので、「春を告げる魚」は「いかなご」ということになります。
今年の解禁日は、明石海峡の大阪湾側が2月28日で播磨灘側は3月2日でした。
くぎ煮は販売業者だけではなく、多くの一般家庭で独自のものが作られ、近所どうしで交換したり遠くの親類や知人に送ったりするのです。ということで、2月の末から、こちらのスーパーでは、鍋や容器や調味料などのくぎ煮用品がメインの一角に並べられます。
先週末に「魚ン棚」へ行ってみました。10時半頃でしたが、何軒かある魚屋の前はどこもご覧のような行列です。
漁は早朝から昼頃まで行われ、水揚げされたばかりの新鮮な「新子」の入荷を待っているのです。
先日、朝日新聞の神戸版に
「イカナゴの稚魚、近年にない不漁。価格二倍、でもすぐに完売。産卵減?海水温上昇の影響?」
という見出しで大きな記事になっていました。
フェリー乗り場の近くに「水産物分場」というのがあるので10時ごろ行ってみました。これが水揚げされたばかりのいかなごの「新子」です。
昼網のいかなご澄みて静かなり 弁人
6センチくらいのもあり、少し大きいような感じ。日ごとに大きくなっていくのかもしれません。ラジオ番組で「くぎ煮には3、4センチぐらいが最適」という話も聞きました。
いかなご漁は「二隻曳き」の形態で、下図のように2隻の船が網を曳き、三角形の頂点にいる船が周囲の安全確認と魚影を捉えて指示を出す役割を担っているようです。
2隻平行に並んでいるので、海岸に行くとすぐにわかります。
多い時には40組ほど漁に出るので、100隻を優に越える小舟が狭い海峡に散らばり、安全確保のため、海上保安庁の船が走り回り、大阪湾海上交通センターも航行する船に注意を呼びかけています。
海峡を横切るたこフェリーは特に大変そうで、漁船を避けて大きく迂回することもよくあるとか。
いかなご漁長閑に眺め泳ぐ蛸 弁人
さて、ここまでいろいろ調べたり観察してくると、どんな気持ちになるか、お分かりですか。そう、作ってみたくなりますよね。
ということで挑戦しましたので、その顛末を報告します。
まず「新子」の購入です。
例年、キロ1000円から1500円ほどで、どこのスーパーでも置いてあるポピュラーな魚らしいのですが、今年はあまり見ませんでした。
あるスーパーで初めて出会った時の値段はキロ2300円でした。
11日の水曜に垂水の魚屋へ下見に行くと、やはりどこも行列でしたが、キロ2800円が2軒で2500円の店が1軒でした。
作る予定の金曜日は悪天候らしいので、前日に仕入れておこうと一昨日魚ン棚に行くと2300円で売っていました。ところが、生の「いかなご」は一晩経つと鮮度が落ちてしまうそうで、「大丈夫、明日も漁はあるから」ということばを信じて、炊く当日の昨日改めて出直しました。
実は、値は毎日変動するのでした。昨日は2500円でした。
「2000円以上もするんだらとても買えんわ、今年はなしや」という女性の声もありました。
湘南の生シラスはたしか500グラムで6~800円くらいだったと思います。やっぱりいかなごのほうが高いかな。
でも、お店で売っている出来あいの「くぎ煮」がグラム500円以上はしますから、うまくできれば自前のほうがいいのです。
うまくできなかったら、娘夫婦のところへ持っていけないけど、まあ、ここは気楽に考えて「今年は自分が口にすればいいか」という気分。といっても1キロ単位でしか売ってくれません。
それで、300グラムぐらいでしょうか、釜上げにしてみました。
こちらでは「釜揚げシラス」というのはあまり見かけず、乾き気味の「ちりめんジャコ」ばかりなのです。「シラス」といえば、逗子では釜上げはもちろん、生でもよく口にしました。そう、「新子」も一見「生シラス」のようなのです。釜上げにして、大根おろしを和えてカツオぶしをのせればおいしそう。
さて、いよいよ「くぎ煮」です。
独自色も出したいなと、初めてなのに気張って調味料を工夫しました。うまくいけば秘伝の味になるので公表せず。
写真は、煮汁が少なくなって泡に粘りが出てくると、アルミの落とし蓋が下に下がるというのをハラハラしながら見ているところです。
そのとおりになったので、弱火にして煮詰めました。
粗熱をとってから網に移し汁気を切り、タッパに移して白ごまをふり、うちわであおいでいるところです。
海眺めいかなご炊くや明石にて 弁人
さっそく夕飯でたらふくいただきました。「釜上げ」はちょっと茹で過ぎで50点、「くぎ煮」はまあまあでしたが、山椒を入れ過ぎたので70点というところでしょうか。
とりあえず、今日の夕方にKAZU一家のところへ持って行って、いかなごパーティをという予定ですが、きっとがっかりするだろうな。
「いかなごのくぎ煮」はご存知ですか。明石海峡の名産品です。
「いかなご」には、くぎ煮にする「新子」(3~6センチの小魚)と成長した「古背」(10㎝位でドジョウを大きくした感じ)があります。
「古背(フルセ)」は一度鍋にしてみましたが、ちょっとグロテスクで今ひとつでした。「新子(シンコ)」のくぎ煮は日もちもするし真空パックもあるので、遠くへ発送したりお土産にしたりということでよく知られています。
北海道のニシンとか、各地に「春告魚」が存在するようですが、こちらでは「新子」の漁が春先に解禁となるので、「春を告げる魚」は「いかなご」ということになります。
今年の解禁日は、明石海峡の大阪湾側が2月28日で播磨灘側は3月2日でした。
くぎ煮は販売業者だけではなく、多くの一般家庭で独自のものが作られ、近所どうしで交換したり遠くの親類や知人に送ったりするのです。ということで、2月の末から、こちらのスーパーでは、鍋や容器や調味料などのくぎ煮用品がメインの一角に並べられます。
先週末に「魚ン棚」へ行ってみました。10時半頃でしたが、何軒かある魚屋の前はどこもご覧のような行列です。
漁は早朝から昼頃まで行われ、水揚げされたばかりの新鮮な「新子」の入荷を待っているのです。
先日、朝日新聞の神戸版に
「イカナゴの稚魚、近年にない不漁。価格二倍、でもすぐに完売。産卵減?海水温上昇の影響?」
という見出しで大きな記事になっていました。
フェリー乗り場の近くに「水産物分場」というのがあるので10時ごろ行ってみました。これが水揚げされたばかりのいかなごの「新子」です。
昼網のいかなご澄みて静かなり 弁人
6センチくらいのもあり、少し大きいような感じ。日ごとに大きくなっていくのかもしれません。ラジオ番組で「くぎ煮には3、4センチぐらいが最適」という話も聞きました。
いかなご漁は「二隻曳き」の形態で、下図のように2隻の船が網を曳き、三角形の頂点にいる船が周囲の安全確認と魚影を捉えて指示を出す役割を担っているようです。
2隻平行に並んでいるので、海岸に行くとすぐにわかります。
多い時には40組ほど漁に出るので、100隻を優に越える小舟が狭い海峡に散らばり、安全確保のため、海上保安庁の船が走り回り、大阪湾海上交通センターも航行する船に注意を呼びかけています。
海峡を横切るたこフェリーは特に大変そうで、漁船を避けて大きく迂回することもよくあるとか。
いかなご漁長閑に眺め泳ぐ蛸 弁人
さて、ここまでいろいろ調べたり観察してくると、どんな気持ちになるか、お分かりですか。そう、作ってみたくなりますよね。
ということで挑戦しましたので、その顛末を報告します。
まず「新子」の購入です。
例年、キロ1000円から1500円ほどで、どこのスーパーでも置いてあるポピュラーな魚らしいのですが、今年はあまり見ませんでした。
あるスーパーで初めて出会った時の値段はキロ2300円でした。
11日の水曜に垂水の魚屋へ下見に行くと、やはりどこも行列でしたが、キロ2800円が2軒で2500円の店が1軒でした。
作る予定の金曜日は悪天候らしいので、前日に仕入れておこうと一昨日魚ン棚に行くと2300円で売っていました。ところが、生の「いかなご」は一晩経つと鮮度が落ちてしまうそうで、「大丈夫、明日も漁はあるから」ということばを信じて、炊く当日の昨日改めて出直しました。
実は、値は毎日変動するのでした。昨日は2500円でした。
「2000円以上もするんだらとても買えんわ、今年はなしや」という女性の声もありました。
湘南の生シラスはたしか500グラムで6~800円くらいだったと思います。やっぱりいかなごのほうが高いかな。
でも、お店で売っている出来あいの「くぎ煮」がグラム500円以上はしますから、うまくできれば自前のほうがいいのです。
うまくできなかったら、娘夫婦のところへ持っていけないけど、まあ、ここは気楽に考えて「今年は自分が口にすればいいか」という気分。といっても1キロ単位でしか売ってくれません。
それで、300グラムぐらいでしょうか、釜上げにしてみました。
こちらでは「釜揚げシラス」というのはあまり見かけず、乾き気味の「ちりめんジャコ」ばかりなのです。「シラス」といえば、逗子では釜上げはもちろん、生でもよく口にしました。そう、「新子」も一見「生シラス」のようなのです。釜上げにして、大根おろしを和えてカツオぶしをのせればおいしそう。
さて、いよいよ「くぎ煮」です。
独自色も出したいなと、初めてなのに気張って調味料を工夫しました。うまくいけば秘伝の味になるので公表せず。
写真は、煮汁が少なくなって泡に粘りが出てくると、アルミの落とし蓋が下に下がるというのをハラハラしながら見ているところです。
そのとおりになったので、弱火にして煮詰めました。
粗熱をとってから網に移し汁気を切り、タッパに移して白ごまをふり、うちわであおいでいるところです。
海眺めいかなご炊くや明石にて 弁人
さっそく夕飯でたらふくいただきました。「釜上げ」はちょっと茹で過ぎで50点、「くぎ煮」はまあまあでしたが、山椒を入れ過ぎたので70点というところでしょうか。
とりあえず、今日の夕方にKAZU一家のところへ持って行って、いかなごパーティをという予定ですが、きっとがっかりするだろうな。
年賀状でブログをやっていると伺っていましたが、先日昔の仲間から「おもしろく見てるよ」と聞き、探してみました。
逗子から全く新しい場所に移り、お元気そうで何よりです。ゆったりと人や自然と触れ合う気持ちのゆとりがいいですね。
イカナゴ美味しそうですね。こちらでいう「少女子(コウナゴ)」に近いのかなと思いましたので、調べてみると、やはり同じもののようで、地域での呼び名の違いのようです。
ところで、
お孫さんかわいいですね。実はうちも、昨年初孫が生まれ、今月ちょうど1歳を迎えました。
東京に住んでいるので、時々しか会えませんが、会うたびに大きくなって、成長の早さを感じます。すでに二本足でしっかりと歩けるようになっていて、目が離せません。
次は「ジイジ」という言葉を覚えさせようと思っています。(爺バカ??)
ウッチーもお爺ちゃんでしたか。それはそれは。
ところで、お仕事のほうはは順調ですか。私は気ままに暮らしているので、ちょっと後ろめたい思いもなきにしもあらずというところです。
でも、当面は明石での毎日を少しでも充実したものにしようと、目の前のことに楽しく一生懸命取り組んでいるつもりです。
そういう面で、ブログは、今の自分にとって大切な支えになっています。
また覗いてみてください。