チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

逗子の散歩道「葉桜住宅地から桜山古墳へ」

2019-05-10 15:28:02 | 逗子風物
5月10日(金)

 我が家の南、逗子市桜山と葉山町長柄にまたがる丘陵に「葉桜団地」と称する住宅地があります。
 逗子で世帯を持った昭和48年には既に造成されていましたから、50年ほど前に開発された住宅地だと思われます。

 バス通りに出ると、
  大きな給水タンクが見えます
  

 坂がけっこう急なので自転車で行くのはちょっと無理。車でなければ、逗子駅からのバス(朝夕は10~15分毎に1本、昼間は1時間に2本)に乗って行くことになります。

 終点の
  「葉桜」バス停
  

 路地に入ると、先ほどの
  給水タンクがあって、
  

 その先の西端には
  絶景スポットがあります
  

 逗子に住んで3年目に、今の住まいの土地を購入したのですが、当時、山の上なら倍近くの広さの土地が取得できるということで、この景観に魅せられて食指が動いたのを思い出します。

 それはさておき、相模湾と富士の眺望から視線を左へ移すと、こんもりとした
  森が横たわっていて、
  

 右のほうに、ここと同様、眺望の良い所が整備されていますが、実は、入口に近い左の森の中に「長柄・桜山古墳群」という史跡があって、かなり大きな前方後円墳が二つ鎮座しているのです。

 古墳への入り口は、道一本向こうの
  住宅街の突き当たり
  

 入るとすぐ、左に
  古墳へ向かう道がありますが、
   

 かなり急なので、丘陵の先端から迂回する道へ向かうと、すぐに、右の視界がひらけて
  逗子市内が一望です
  

 ベンチもあって、周囲の景色を眺めながら
  しばし休憩
  

 ここからの景観もなかなかで、丘陵のすぐ向こうに相模湾、そして、江ノ島と富士。そこで、桜が咲く前の
  3月18日の写真を一枚
  


   朝凪の底に揺らめく龍宮城   弁人


 それでは古墳へ向かいましょう。

 坂の上に、ドームのようなものが
  眩しく光っています
  

 前方後円墳の後円部で
  直径50mほどです
  
 今は、保存・整備中ということで、シートに覆われていますが、

 春休みには、KAZU君も
  ここを歩きました
  

 全長90m超の大型古墳。前方部も
  形どおりに盛り上がっています
  

 20年前の1999年、地元の考古学愛好家が散策中に偶然埴輪の破片を発見して古墳だと判明。今は、逗子と葉山の教育委員会の管理のもと、この第一号古墳の周囲はロープを巡らせて中に入れないようになっています。

 さらに、逗子市と葉山町の境界上にある山道を数分ほど歩いて行くと、ほぼ同じ大きさの第二号古墳があります。

 こちらは、後円部から前方部まで古墳の上を歩けるように、というより、
  そこが道になっています
  
 (奥のこんもりした木立の所が後円部で、道の部分は前方部の上)

 この二つの古墳は、四世紀後半の古墳時代前期のもので、関東では最大級とか。前方後円墳といえば、そのほとんどは畿内にあることから、説明書きには「葬られているのは、この地域の実力者で大和王権とつながりがあった人物の可能性」とあります。

 とまあ、こんな認識を持って、春先に3回ほど歩いたりしていたのですが、

 なんと先日、連休中のテレビに「三浦半島のパワースポット」として取り上げられたのです。

 紹介したのは、今売れっ子?の歴史学者の磯田道史先生。子どもの頃から古墳マニアだったという磯田氏、さすがに歴史学者ですから、あくまで「ロマンを馳せる」ということを前提に、
○ 地元の豪族の墓であったら、二つだけしか存在しないのは奇異である
○ 当時の実力者の墓は、生前墓を含めて複数あることが多い
○ 相模湾から東京湾へ向けて、交通の要所である丘陵に直線上に連なっている
○ 二号墳前方部からの西方(畿内方向)の眺望が見事
などの特徴を挙げて、
 センセイも思わず、記紀神話そのものに重ね合わせて、二号墳が「ヤマトタケル」、一号墳がその妻「オトタチバナヒメ」という歴史ロマンに浸っていました。

 そんな夢のある歴史のお話を聞いているうちに、私も、「きっと、記紀神話の記述に相当する人物がいて、そのお方の墳墓なんだ」という気分になってきました。

 この写真も春休みにKAZU君と歩いた時に撮ったものですが、テレビで磯田先生が目をパチクリした
  二号墳からの景観
  

 眼下には、逗子海岸南端の渚橋から葉山鎧摺港方面の海が広がっています。
 

   神の代も昨日のごとく風薫る   弁人


コメント
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