2月2日(金)
一昨日、31日の夜の皆既月食。
「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」
と言うそうです
その年いちばん大きく見える満月を「スーパームーン」、同じ月に二回満月になる時の二回目を「ブルームーン」、皆既月食で赤みを帯びて暗くなる月を「ブラッドムーン」と言うそうで、その三つが重なったのだそうです。
月食は満月の時しか見られませんが、皆既月食に加えて二つの珍しい現象が重なり、さらに雲に隠れることなく観察できたのですから、かなり希有な出来事だったに違いありません。
2008年から約8年過ごした明石。なにしろ、東経135度の標準時子午線の通る町ですから、その子午線の上にある天文科学館にはずいぶんと通いましたし、日食や月食などの天文ショーの際にもいろいろな勉強をさせていただきました。
その約8年の間に、部分日食が一回、これは梅雨空で空振りに終わりましたが、好天気の下での金環日食が一度ありました。2012年の5月だったと思います。
今後日本で見られる日食というと、部分日食は何回かあるようですが、金環日食は2030年6月に北海道で、皆既日食のほうは2035年9月に北陸から北関東でということらしく、私の人生を考えると、2012年の金環日食は最初で最後と言っていいような出来事だったのかもしれません。
ところが、月食となると事情が変わって、明石にいた頃、皆既月食だけで五回もありました。天気に恵まれてちゃんと観測できたのは、2011年12月と2014年10月の二回でしたが、そんなことを考えると、薄暗い赤みを帯びたオレンジ色の月にカメラを向けるのは今回が三回目ということになります。
今後の皆既月食も、2021年、22年、25年、に現れるということで、経験からいっても、素人目には日食よりも月食の回数のほうが多いはずと思うのですが、それは観測できる機会ということで、実は、回数的には日食のほうが多いということを、かつて天文科学館の学芸員の方から説明をいただいたことがあります。
要は、日食・月食時の太陽と地球と月の並び方、それにそれぞれの大きさの違いによるものなのですが、図にするとよくわかります。
ちなみに大きさですが、太陽は大きくて遠いのでさておき、地球をバスケットボールに例えると、月はテニスボールくらいというのがわかりやすいでしょうか。ほかにもゴルフボールとパチンコ玉、メロンと梅の実という例えもあります。そんなイメージの上で、地球から見て、太陽光線の中を月が横切る(日食)距離と地球の影の中を月が通過する(月食)の距離を比べると、前者のほうが長いということは、その機会のほうが多くなるということなのです。一方、小さい物の影は大きい物には点として映るのに対して、大きい物の影は小さいものを大きく隠すので、後者(月食)のほうがその現象を確認できる範囲(地域)が広くなるというわけです。
さて、そんな科学的な俄か知識はさておき、過去に「ブラッドムーン」なる写真は二回も撮ったことがあるし、なにしろ歴史的な寒波に見舞われている寒さの中です。「スーパー」だの「ブルー」だのということばが加わってはいますが、今回は「曇り空だったらそれでもいいや」と思っていました。そんな気分で窓を開けてみると、南東の空に雲はなく、なるほどご立派な満月。
21時過ぎ。
欠けはじめました
30分後。
皆既月食間近に
皆既月食のもう一つの楽しみは、満月の夜なのにその時間帯だけ星空がくっきりと浮かび上がることです。今回も星がきれいでしたが、寒さの中、星座表を取り出して観察する気力はありませんでした。
さらに30分。22時15分
赤銅色の月
寒月の赤鬼となり星睨む 弁人
仕事に追われていたこともあったのかもしれませんが、以前は、宇宙だ、星座だ、天文ショーだといっても、そんなに関心があるわけでもなかったのです。
これも明石で暮らしていたご縁でしょうか、「さびぃ!」とつぶやきながら、月の観察に何回もベランダに出る夜となりました。
一昨日、31日の夜の皆既月食。
「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」
と言うそうです
その年いちばん大きく見える満月を「スーパームーン」、同じ月に二回満月になる時の二回目を「ブルームーン」、皆既月食で赤みを帯びて暗くなる月を「ブラッドムーン」と言うそうで、その三つが重なったのだそうです。
月食は満月の時しか見られませんが、皆既月食に加えて二つの珍しい現象が重なり、さらに雲に隠れることなく観察できたのですから、かなり希有な出来事だったに違いありません。
2008年から約8年過ごした明石。なにしろ、東経135度の標準時子午線の通る町ですから、その子午線の上にある天文科学館にはずいぶんと通いましたし、日食や月食などの天文ショーの際にもいろいろな勉強をさせていただきました。
その約8年の間に、部分日食が一回、これは梅雨空で空振りに終わりましたが、好天気の下での金環日食が一度ありました。2012年の5月だったと思います。
今後日本で見られる日食というと、部分日食は何回かあるようですが、金環日食は2030年6月に北海道で、皆既日食のほうは2035年9月に北陸から北関東でということらしく、私の人生を考えると、2012年の金環日食は最初で最後と言っていいような出来事だったのかもしれません。
ところが、月食となると事情が変わって、明石にいた頃、皆既月食だけで五回もありました。天気に恵まれてちゃんと観測できたのは、2011年12月と2014年10月の二回でしたが、そんなことを考えると、薄暗い赤みを帯びたオレンジ色の月にカメラを向けるのは今回が三回目ということになります。
今後の皆既月食も、2021年、22年、25年、に現れるということで、経験からいっても、素人目には日食よりも月食の回数のほうが多いはずと思うのですが、それは観測できる機会ということで、実は、回数的には日食のほうが多いということを、かつて天文科学館の学芸員の方から説明をいただいたことがあります。
要は、日食・月食時の太陽と地球と月の並び方、それにそれぞれの大きさの違いによるものなのですが、図にするとよくわかります。
ちなみに大きさですが、太陽は大きくて遠いのでさておき、地球をバスケットボールに例えると、月はテニスボールくらいというのがわかりやすいでしょうか。ほかにもゴルフボールとパチンコ玉、メロンと梅の実という例えもあります。そんなイメージの上で、地球から見て、太陽光線の中を月が横切る(日食)距離と地球の影の中を月が通過する(月食)の距離を比べると、前者のほうが長いということは、その機会のほうが多くなるということなのです。一方、小さい物の影は大きい物には点として映るのに対して、大きい物の影は小さいものを大きく隠すので、後者(月食)のほうがその現象を確認できる範囲(地域)が広くなるというわけです。
さて、そんな科学的な俄か知識はさておき、過去に「ブラッドムーン」なる写真は二回も撮ったことがあるし、なにしろ歴史的な寒波に見舞われている寒さの中です。「スーパー」だの「ブルー」だのということばが加わってはいますが、今回は「曇り空だったらそれでもいいや」と思っていました。そんな気分で窓を開けてみると、南東の空に雲はなく、なるほどご立派な満月。
21時過ぎ。
欠けはじめました
30分後。
皆既月食間近に
皆既月食のもう一つの楽しみは、満月の夜なのにその時間帯だけ星空がくっきりと浮かび上がることです。今回も星がきれいでしたが、寒さの中、星座表を取り出して観察する気力はありませんでした。
さらに30分。22時15分
赤銅色の月
寒月の赤鬼となり星睨む 弁人
仕事に追われていたこともあったのかもしれませんが、以前は、宇宙だ、星座だ、天文ショーだといっても、そんなに関心があるわけでもなかったのです。
これも明石で暮らしていたご縁でしょうか、「さびぃ!」とつぶやきながら、月の観察に何回もベランダに出る夜となりました。