7月10日(水)
KAZU君の保育園のある稲爪神社。お祭りといえば10月の秋祭りが盛り上がりますが、7月の初めの時期は、夏越の大祓えの「茅の輪くぐり」と夏祭りが行われます。
今年は、その夏祭りの6日の土曜日に「風の盆」がやって来るという案内がありました。
毎年9月の初めに富山は越中八尾で催される、「おわら節」に合わせて踊る「盆踊り」。私の実家は、代々江戸・東京で生計を営んで来ましたが、父方の祖母と母方の祖父母が富山の出身ということもあって、子どもの頃から「おわら節」や「風の盆」の話を耳にしていたのだと思います。
実は、私も3、4才の頃まで富山に疎開していたのです。ただ、周囲のことに無頓着な幼児だったのでしょうか、その頃の記憶が全くなくて、大人になってから一度富山へ行ってみたい、「風の盆」を見ておきたいと思うようになったのですが、9月初めに八尾を訪れる機会には恵まれませんでした。
それはともかく、明石で「風の盆」が見られるというのですから見逃すわけには行きません。
梅雨明け前の蒸し暑い夕方でした。
まもなく始まります
まずは、動画で
胡弓と三味線が奏でる幻想的で哀愁を帯びた音色。編笠で顔を隠した踊り子の爽やかな浴衣姿と優美で上品な身振り手振り。
八尾では三日三晩踊り明かすのだそうで、その三日間に、この踊りの雰囲気に魅せられた人が全国から何十万人も押し寄せるとか。よくわかります。
踊りは、まもなく茅の輪をくぐって、
拝殿前でのお披露目となりました
やはり、ここも動画ですね
海峡に響く胡弓や夏の夕 弁人
「風の"盆"」と言うのですから、一般的には盆踊りの一つとして扱われているようですが、9月の初めの行事ということは、旧7月15日の、いわゆる「お盆」の時に行われる踊りでもないようです。
稲の実りを迎える秋頃は台風のシーズンです。せっかく実った稲が風になぎ倒されることのないよう、二百十日を迎える頃に豊作を祈願し、野分風から作物を守る踊りとして始まったとも言われています。
でも、こういう雰囲気の「盆踊り」、他にもありそうだと思いますが、如何でしょうか。
例えば、その昔、柳田国男が「清光館哀史」の中で紹介した、岩手の北部の海岸線の地で出会った「盆踊り」。
柳田国男は、女性が手拭いで顔を隠して一晩中踊り明かす姿に、日本の盆踊りの一つの典型を見ています。そして、歌詞を含めてその背景が語られていて、そこから、日本の社会を底辺から支える庶民の姿、彼らが持っている前向きに生きるエネルギーと、その裏にある現実の厳しさや哀しさを浮き彫りにしています。
「風の盆」の踊りも同様とは言いませんが、限りなく哀調を帯びた音色としっかりとした手振りや足取りを見ていると、気分はすっかり柳田国男の世界に入り込んでしまいます。
俯きて身振りしたたか夏の舞 弁人
ところで、女性が編笠で顔を隠して踊るというと、「佐渡おけさ」が浮かんで来ますが、「佐渡おけさ」は九州から伝わった「ハイヤ節」とかを元にした民謡に、酒席で芸妓が踊ったもので、昔から伝わる「盆踊り」ではないと学生時代に聞いた覚えがあります。
KAZU君の保育園のある稲爪神社。お祭りといえば10月の秋祭りが盛り上がりますが、7月の初めの時期は、夏越の大祓えの「茅の輪くぐり」と夏祭りが行われます。
今年は、その夏祭りの6日の土曜日に「風の盆」がやって来るという案内がありました。
毎年9月の初めに富山は越中八尾で催される、「おわら節」に合わせて踊る「盆踊り」。私の実家は、代々江戸・東京で生計を営んで来ましたが、父方の祖母と母方の祖父母が富山の出身ということもあって、子どもの頃から「おわら節」や「風の盆」の話を耳にしていたのだと思います。
実は、私も3、4才の頃まで富山に疎開していたのです。ただ、周囲のことに無頓着な幼児だったのでしょうか、その頃の記憶が全くなくて、大人になってから一度富山へ行ってみたい、「風の盆」を見ておきたいと思うようになったのですが、9月初めに八尾を訪れる機会には恵まれませんでした。
それはともかく、明石で「風の盆」が見られるというのですから見逃すわけには行きません。
梅雨明け前の蒸し暑い夕方でした。
まもなく始まります
まずは、動画で
胡弓と三味線が奏でる幻想的で哀愁を帯びた音色。編笠で顔を隠した踊り子の爽やかな浴衣姿と優美で上品な身振り手振り。
八尾では三日三晩踊り明かすのだそうで、その三日間に、この踊りの雰囲気に魅せられた人が全国から何十万人も押し寄せるとか。よくわかります。
踊りは、まもなく茅の輪をくぐって、
拝殿前でのお披露目となりました
やはり、ここも動画ですね
海峡に響く胡弓や夏の夕 弁人
「風の"盆"」と言うのですから、一般的には盆踊りの一つとして扱われているようですが、9月の初めの行事ということは、旧7月15日の、いわゆる「お盆」の時に行われる踊りでもないようです。
稲の実りを迎える秋頃は台風のシーズンです。せっかく実った稲が風になぎ倒されることのないよう、二百十日を迎える頃に豊作を祈願し、野分風から作物を守る踊りとして始まったとも言われています。
でも、こういう雰囲気の「盆踊り」、他にもありそうだと思いますが、如何でしょうか。
例えば、その昔、柳田国男が「清光館哀史」の中で紹介した、岩手の北部の海岸線の地で出会った「盆踊り」。
柳田国男は、女性が手拭いで顔を隠して一晩中踊り明かす姿に、日本の盆踊りの一つの典型を見ています。そして、歌詞を含めてその背景が語られていて、そこから、日本の社会を底辺から支える庶民の姿、彼らが持っている前向きに生きるエネルギーと、その裏にある現実の厳しさや哀しさを浮き彫りにしています。
「風の盆」の踊りも同様とは言いませんが、限りなく哀調を帯びた音色としっかりとした手振りや足取りを見ていると、気分はすっかり柳田国男の世界に入り込んでしまいます。
俯きて身振りしたたか夏の舞 弁人
ところで、女性が編笠で顔を隠して踊るというと、「佐渡おけさ」が浮かんで来ますが、「佐渡おけさ」は九州から伝わった「ハイヤ節」とかを元にした民謡に、酒席で芸妓が踊ったもので、昔から伝わる「盆踊り」ではないと学生時代に聞いた覚えがあります。