パリの すてきな おじさん

 

 

BOOK OFF にて購入したこの 『 パリのすてきなおじさん 』 。

読み終えて、想像していたのと全然違い、良い意味で裏切られたようなとても

嬉しい、出会いの一冊となりました。

2年程前からブックオフの棚で何度も背表紙を目にしていたのでしたが、なにせ

” パリ ” で、 ” すてきな ” で、” おじさん ” で。

手に取ってページを開くことせずに、きっとオシャレなおじさま達の街角スナップ集

のようなイラストで、カフェやレストラン、隠れた名所なんぞをガイドしている、お花

が咲いているようなフワフワの素敵本だとばかり勝手に思い込んでいたのでした。

ぜーんぜん違った!

おじさんをこよなく愛するイラストレーター・金井真紀さんと、パリ在住40年という

「 商売道具は好奇心 」 のジャーナリスト・広岡裕児さんが、パリで様々な暮らし方

している40人のおじさん達に取材を申し込み、インタビューし、撮らせてもらった

彼らのポートレイトを、イラスト化して作り上げた実に味わい深い ” パリのおじさん

図鑑 ”  のような本なのでした。

 

パリには本当に様々な事情・・・長い歴史上の事情、世界情勢の流れでの事情、世界

地図による事情、などなどにより、たくさんの人種が混沌として暮らしている街だと

いうこと。登場するおじさん一人一人に背景があり、事情があり。

難民問題、差別問題、テロ事件、すぐにはどうにもならない苦くて辛い現実の中で

ありながらも、時に溜息をつきつつも、自分の運命は自分で引き受け、毎日を生きる。

おじさん達の表情は笑っています。

うっすらとした笑顔もあるし、ニッコリと深い笑顔もある。

インタビューを読む限り、笑ってはいられない厳しい状況にいるおじさんもいるんだ

けれど、きっと写真を撮る際には、笑ってくれたのでしょうか、金井さんは苦みが強い

深い人生を滲ませた彼らの顔の絶妙な笑顔の瞬間を描いているようです。

文章も淡々としつつも優しく軽い感じに書かれていて、この本の温かさはそのへんから

醸し出されていると思われます。

40人のパリのおじさん達の人生を味わうように読む、

これは大人のための本だなあ。

 

 

表紙の帯を外したら出てくる、チャプター➀ 〈 おしゃれなおじさん 〉 のお一人

グレゴリー・レヴィ氏39歳

 

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

読書のお伴にぴったりな、丸いプチパンです。

囓りつ、読みつ、( ワインを飲みつ ) 夏の夜は更けて・・・・なーんてね。

 

明日もこんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのお越しを

お待ちしております!

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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