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電話室便り
ガラスの城の約束 / The Glass Casthle
2019-10-19 / 映画
「 ホームレスの両親に育てられた女性の衝撃の半生を綴った全米ベストセラー
小説を映画化 」 チラシに載っていたこの一行に興味を引かれて夏の初め頃
観に行ってきた1本。
父親役のウッディ・ハレルソンと、母親役のナオミ・ワッツが、素晴らしい。
ウッディ・ハレルソンは、「 スリービルボード 」 で初めて認識した役者さん
でしたが、どうしようもないオヤジなんだけど、どうやっても憎めない・・・
というような役柄が実にうまい。ナオミ・ワッツの演技の幅の広さは知ってた
けれど、今回の、真摯だけれどずーっとずれていて、本人全く気付かない芸術家
もどきの愚母という、どちらかというと汚れ役?もできちゃうんですね~。
父親は、いつか家族のために ” ガラスの城 を建てるという夢を持つエンジニア、
母親は絵を描く自称アーティスト、4人の子どもがいて、幼い子ども達に夢を
語り、それっぽい活動をしてみせるもそれ以上の何かは続かない。
もともと低水準の暮らしぶりも、そのせいで段々と荒んでいき、ついには空き屋
に勝手に住んで電気水道を勝手に細工しての法律外の綱渡り生活にまで落ちぶれ果てる。
世の中というものを知る前の子ども時代は、家族全員が一つにまとまり、父親は一家の
力強い船長であり、夢の具現者・ヒーローでした。子どもにとっては、家が全世界だから。
この映画は、子ども時代を終えて一人の人間として世界に出て行く、その出て行き方
の無数にあるパターンのうちの一つを描いています。
主人公 = 原作者のジャネットは、「 ニューヨーク・マガジン 」 で活躍する人気
コラムニストになり、株式ディーラーの恋人とセレブな生活をしているのですが、
観ている私達は、彼女がどれほどの意志と根性と努力を積んで、持って生まれた知性
を武器に階級社会を生き抜いてきたかと感嘆しつつ、彼女の人生観の基礎を育てた反面
教師の両親 ( 特に父親 ) の粗っぽくて世間的には正しくないけど ” 人並み ” で
あろうとは一度もしなかった、そして子ども達にも全くそれを求めなかった生き方
と、お互いと子ども達への愛情は、どうあっても真実であっただろうと驚嘆もします。
この一家は果たして幸せだったか?
私には、間違いなくYES! とても幸せだったでしょう、と思えますが、どうでしょう。
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